第3話 悪夢2
密度が濃いせいか頭が重い。このまま頭が倒れこんだら首の力だけでは起き上がれまい。もう既に、首の筋肉はガチガチである。
常に首に力を入れておかないと前後どちらかに倒れてしまいそうだ。
グラグラバランスを取りながら何とか配送を終えた。その後の倉庫作業は頭痛が酷いという理由をつけてお任せし、事務作業だけして帰ることにしたが、この事務作業がなかなかどうして辛い。
慣れているとはいえ確認の為パソコンのキーボードを見る時、或いは、付箋の処理をする時、何か書き物をする時等、どうしても下を向かなければならない時は左手で頭を抑え考えてる風な感じを装いつつ肘で重さに耐えながら何とかやり過ごした。
帰社する時の会釈は最低限に抑え、会社をあとにした。
疲れた。疲労困憊である。首、肩がパンパンで早くマッサージか湿布かしたい。というか寝たい。
風邪の緒症状を訴え早めに風呂に入る。風呂に入ると、1本の図太い髪の毛がヘナヘナと力を無くし垂れてくるので後ろに垂れさせる。その重さで浴槽の背もたれに意図せずもたれかかった。天井を見ながら
ずっと続くのか?
ふと絶望的な考えが巡った。
この1本の図太い髪の毛のままでは、色々と障害が出る。元の髪の毛にならないものかと風呂上がりに説明書を読むことにした。
そこには、稀に効果が絶大過ぎることがあるとの文言が書いてある。これか。私はその後に続く文言も読んでみた。すると、使用を一旦中止し、風呂に入りよく洗えと書いてあった。なるほど。
私は早速再度髪を丹念に洗った。とはいえ1本である。時間はそんなにかからない。よく分からないがまず指示通り丹念に洗ってやった。これで何も効果が無かったら絶望的である。
翌朝。
急々と鏡に向かった。昨日はドライヤーで乾かさずタオルを撒いて寝た。そうする方が良いとも書いてあったからだ。
タオルを外すと、そこには大きな2本の髪の毛が付いていた。分球したのである。
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