第8話
子供っぽく見られ無いように見 栄を張っているのだ。
やっと出かける時間になって二人で車に乗り込む。
朝一で行くのも 一寸気恥ずかしい気はするが、
実はもう二人ともいてもたってもいられない、
といった気持ちだった。
朝一番でまだ誰も客のいない店の中に入っていく。
あのマルチーズが何処にいるのかと、
キョロキョロしながら店の中に入っていく。
いた。あのマルチーズだ。
なぜかほっとして急に力が抜けたような気がした。
マルチーズの顔を見ると嬉しさに心臓の鼓動が
聞こえる様な気さえする。 お店の人に声をかけ、
色々と犬を飼う注意事項とか 手続きとかをしていると、
あっという間に一時間程が過ぎてしまった。
犬を入れるケージや、ハーネスとかリードとか
ドッグフードとか必要な物を 全て選んで貰って
帰る頃にはすでに 12時を廻っていた。
急いで帰ると通雄がケージを組み立てて
小犬をその中に入れる。
そしてドッグフードと水を与え、
自分たちも冷凍食品のスパゲッティを食べる支度をする。
その間ちらちらと小犬を見てみる。
店の人には「小犬は慣れるまでは暫く落ち着かなくて、
夜啼いたりしますよ」 と言われていたので、
一寸心配だ。 しかし食事をしながらチラチラと見ていると、
落ち着いていて前 からこの家にいるような
そんな風にさえ見える。
それで一安心して食事の後片付けをすると
小犬をケージから出そうと扉を開けた。
小犬は直ぐにゆっくりとケージの中から出てきた。
彩と通雄は小犬の側により頭を撫でたり、
背中を撫でたりして小犬の様子を見る。
小犬は二人の手をペロペロと舐める。
二人ともくすぐったがりながら
早くこの子がなつく事を願った。
小犬の名前はもう随分前から彩が決めていた。
ルルと言う名前だ。 最初通雄はルルと言う名前は
気に入らないようすだった。
「もうちょっと良い名前は無いの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます