第9話 きらめき
放課後。人の気配が無くなるまで残る理由は、一つだけ。そんなことをしたって、先輩には無意味なことくらい想像できるでしょ。
ぽつぽつと残ってる自転車置き場のところに、人影。先輩だ。
小石を踏んでざらざらと鳴った足音で、先輩は振り向いた。
「なんか久しぶり」
迷うような頷き方、視線も下がる。
「俺の友達が変な聞き方したときから、だよね? なんか困らせたように思うんだけど、合ってる?」
違ってはないから、一瞬間を置いてから頷いた。
「やっぱりか。ごめん。俺は友達以上を話題にされてもいいと考えてるけど、そっちは違うのにな。本当ごめん」
友達以上……?
「ん?」
私が急に顔を上げたから、先輩は距離を詰めてきた。
どうしよう。その、絶対に時間はかかる。先輩と友達以上の関係を、私も想像したりしてるの。
「プロフィール画像、ありがとな。嬉しすぎてニヤけた」
言いながら先輩は、スマートフォンを私にも見える位置に持ってきて、目の前で設定を変更する。
私が描いた絵が、登録された。少し時間が経過した、先輩のスマートフォンにたくさんの通知であふれる。
「この画像誰が描いたのだって。誰が見ても上手いんだなー、凄いじゃん」
寂しいと思っていたのが、すぐに満たされる。先輩と一緒にいることが、嬉しい。楽しい。
何気なく先輩を見た、数秒あとで先輩も私を見る。なぜかわらっちゃった。不思議そうにしながらも、わらってくれた先輩にまた視線を戻す。
とりとめもない話がしたいです 糸花てと @te4-3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます