ナースアパート

官能な響き

　ナースアパート。

　人によってこの言葉に何を感じるのだろうか？

　直訳すれば「看護師の共同住宅」である。若しかしたら巨大総合病院が在り、其処に勤務する彼らの住居？ と取れるだろう。

　ただし此処は現代日本だ。2002年の保健師助産師看護師法で法的には性別の区別無く看護師という名称にはなった……が、英語によるRegistered nurse、略してナ－スという言葉はナイチンゲールに代表される「女性看護師」のイメージが強いのではないか？ 少なくとも男性看護師が「ナースやっています」というのを聞いた事はない……一部のコスチュームプレイ趣味による男性が女性用のナース服を着るという場合は別であるが。

　こういう法律の事を解ってはいるのだが、其れでもやはり昔から言い慣れた言葉を使ってしまうのが自分の様なアラフィフ以降の世代である。今回もフェミニストの方々には申し訳ないがぐっと堪え、「女性による看護師……看護婦」の事、と固定するのを許して戴きたい。まぁ自分は女性看護師さんの事を看護婦さんとは呼べど、ナースさんとは言った事はないと思うが。

　そしてアパートメント、上記通り集合住宅なのだが、これまたイメージだけでいえばマンションと比べると庶民的な……そしてこれまた自分の様な世代にとっては昔ながらの二階建て、横に２～４軒程の部屋が階段と渡り廊下で連結した住居を思い浮かべるであろう。部屋はせいぜい４畳半～広くても８畳程、引き戸の玄関を開けたら直ぐに茶の間があり、其処で飯を食いTVを見て、布団を敷いて眠る……人によっては其れが万年床の場合もあるだろう。今は流石に少なくなっていると信じたいが、個々の住居に風呂が存在していなく、更にはトイレ、キッチン迄住民同士共用している所もまだあるだろう。無論エアコンなど夢のまた夢だ。

　さ、今自分が定義したイメージだけで「ナースアパート」という言葉をもう一度考えて欲しい……最初にイメージした大病院で働く彼らの福利厚生を考えられた小洒落た観葉植物なんぞ植えられた共有スペースの有る様な職員住宅のイメージは無くなったであろう？

　何処か……夜勤明けで気怠そうな表情を浮かべた熟女の集まる住居……女豹共の集まる巣穴にはモラルなど存在しない、昼間から渡り廊下迄まるで自室の様に下着姿で歩き回り、仕事のストレス解消の為浴びる様に酒を飲み、ムスクの匂いが立ち籠める……果てさて此処は異国下町の売春街か？

　其処に連れ込まれたあはれなる贄……女性経験のない男子看護学生の童貞等果実を食べるが如くあっさり食されるであろう……

　ﾊｱﾊｱｱﾊｱｱﾊｱﾊｱｱﾊｱｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊﾊｱﾊｱﾊﾊﾊﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊﾊｱｱﾊｱﾊｱｱﾊﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊﾊｱﾊｱﾊｱﾊﾊｱﾊｱﾊﾊｱﾊｱﾊｱﾊﾊﾊｱﾊﾊﾊﾊｱﾊﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊｱﾊﾊﾊﾊｱﾊﾊﾊｱ……

……

　いや、昨日午前４時頃に起きる直前に見ていた明晰夢でこの単語が出て、無理やり夢から脱出してPC起動してメモ帳に打って保存して、安心して二度寝したんですが……

ど　　こ　　に

安　　心　　す

る　　要　　素

あ　　っ　　た

ん　　だ　　！