あの子

麦とお米

 

 あの子は僕の近所に住んでいた。小学生の頃からよくあの子は僕の家に来たし、僕もあの子の家に行った。

 誰よりも強く、明るく、元気なあの子。

 毎日が楽しかった。たくさん沢山遊んだんだ。喧嘩もしたし、泣いたこともあった。間違えてお風呂を覗いたことだってある。

 中学生になる頃、あの子は違う学校へ行ってしまった。

 高校を卒業して、あの子と再会した。

 その腕には、無数の切り傷の跡。

 彼女は言った。

「また、会えたね」

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あの子 麦とお米 @mugitookome

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