第4話:もしかしてバッドピーポーかも?。

でも一体誰がこの子を実体化したんだろう・・・並みの技術じゃないよな。

たしかにそれは、バーチャルかまちょドール「ランドセル・サッチェル」だった。


で、最初っから僕のところに来るのが当たり前みたいにプログラムされてる

節がある・・・まあ、それも取引のためなんだろう。


ランドセルを家に連れて帰った他部郎、彼女をソファに座らせて自分は晩ご飯の

支度をした。

もともと他部郎はランドセルが好きだった訳だし、彼女も最初っから他部郎にラブ

ラブだったから、初めて出会ったカップルと違って、ふたりは最初っからできあが

っていた。


昨日まで殺風景な部屋が、キャピキャピの裸の女がいることでめちゃ明るくて

賑やかな部屋になった。


「井ノ原っち・・・これからなにするの?」


「とりあえず、君は服を着ること・・・僕以外他に誰もいないから、そのままでも

いいけど・・・だけどそのままじゃ、やっぱり目の毒だし・・・」


なわけで、他部郎は自分のパジャマを出して来てランドセルに着せた。

女の子が男のパジャマなんて着たら可愛すぎて余計ダメだろって話。


「女の子の服のことは分からないから明日でも吉川君にきみの服を買って来て

もらうとして、とりあえずランドセルと一緒に晩ご飯食べて、そのあとは・・・」

「そうだな・・・僕は君に興味津々だから君のこともっと知りたいかな

いろいろ聞きたいこともあるし・・・隅々まで調べてみたいし・・・隅々までね

・・・ずはは」


「わ〜イヤらしい言い方」

「隅々までって・・・私を裸にして?それってエッチい行為だよ井ノ原っち」


「来た時に裸になってたくせによく言うよ・・・だけど僕にとっては君は奇跡

だからね」

「君がエッチできるのかどうかだって僕にとって、とっても大事なことなの・・・」


「ご飯食べ終わったら私とエッチできるかどうか調べるの?」


「そりゃまあ・・・調べてみないといけないよね〜科学者として」


「科学者の皮を被ったスケベだね」


「何言っての・・・研究者、科学者としての探究心からだよ、あくまでね」

「人のこと・・・スケベ呼ばわりしない・・・」

「だけどエッチとかスケベとかそんなことまで分かるようプログラムされて

るんだねランドセル」

「まあ、何も知らないよりは、てっとり早くて・・・」


「シャラップ!!ん??・・・・・ちょっと待って・・・井ノ原っち」


そのことに最初に気付いたのはランドセルだった。


ランドセルは他部郎にリビングから動かないように言った。

他部郎にはなんのことやら、何が起きたのやらさっぱり分からなかった。


「ランドセルどうした?・・・なに?急に・・・」


「玄関に危ない人が来たみたいよ、井ノ原っち」

「悪悪い臭いがプンプンしちゃってる」


「え?危ない人?・・・それってもしかしてバッド・ピーポーのやつらか?」

「USBの中身がお姉ちゃんのエッチな画像だって気付かれたかな?」


「そうかもね・・・え?なに?お姉さんのエッチな画像って?」


「いや、いいから、そんなこと説明してる場合じゃないんだろ?」


「ほんっと、まじこでスケベだね井ノ原っち」


「分かってんなら聞かないの」


「ってことで、私がまず玄関の様子を見てくるから・・・井ノ原っちは

ここから動かないで」


「とうとう本格的に銃撃戦とか始まるのかな?」

「よくあるじゃん海外の映画とか見てると機関銃とか持った精鋭部隊が

窓や壁をぶち破って家の中に攻めて来るとか?・・・」


つづくかも。


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