第5話:ダマス・詐欺沼(さぎぬま)
ラッンドセルは抜足差足で玄関に近ずいていきなり声をあげた。
「誰?・・・誰なの?・・・白状しなさい」
すると井ノ原家に訪ねて来たであろう人物がドアを隔ててしゃべった。
「あの・・・私「ダマス・
「さぎぬま?」
「なに、私に詐欺の人のお友人はいないけど・・・?」
「井ノ原っちは知らないけど・・・」
「私、その井ノ原さんに用事があって訪問させていただきました」
「あと詐欺ではなくて詐欺沼ですから・・・」
「ああ、もしかしてバッド・ピーポーの仲間の人?」
「バッドピーポーの関係者ではありますが、今回は個人的にお邪魔しました」
「ええ?じゃなにしに来たの?・・・USB奪いに来た?」
「まあ、それも含めましてブラックホー発生装置の件も含めまして
じっくりお話させていただこうと思いまして、まかりこしました」
「おそらくお嬢ちゃんに戦いを挑んでも我々に勝ち目はないことは
調でわかってます、なのでここは事を穏便に済ませようかと思いまして」
「玄関のドアを開けていただけるとまことにありがたいんですが?」
「井ノ原っちどうする?」
「なんか、穏便とか言ってるし・・・とえいあえず開けてあげたら?」
「分かった」
そう言ってランドセルは玄関ドアを開けた」
「あ、どうも〜失礼します・・・改めてダマス・鷺沼です」
「いらっしゃい・・・どうぞ入って?」
「という事で、私、今日からこちらに居候させていただこうかと・・・」
「お給料とかはいりませんからね」
「いきなり何言ってるんですか?・・・あんた」
「居候って・・・早すぎじゃないですか?・・・それにいくら粘ってもランドセルもブラックホール発生装置も渡しませんよ」
「いいんです、今すぐと言ってる訳じゃありませんから、まあのんびり
行きませんか?」
「その代わり私、こう見えても家事手伝い得意なんですよ・・・某和食、
洋食屋さんでシェフしてましたから・・私を置いてくれたら重宝しますよ」
「どうでしょう?・・・また井ノ原さんとお嬢ちゃんがエッチいこと
する時は、するよ〜言っていただいたら買い物にでも行きますから、随時
おっしゃっていただければ・・・」
料理作ってもらえるってのは美味しい条件だな。
「あんなこと言ってるけど、ランドセルどう思う?」
「私、井ノ原っちとラブラブしてるのさえ邪魔されないならいいけど」
「どうせ、どう頑張ってもその詐欺のおじさん、私には勝てないから」
「詐欺でなくて詐欺沼です、お嬢さん」
「たしかに苗字の中に詐欺って文字は入ってますけど詐欺じゃありませんからね」
「ってことで、どうぞよろしく」
そんな訳で「ダマス・詐欺沼」ってバッドピーポーの人は井ノ原家に居座る
ことになった。
詐欺沼が居座ることを許した理由は他部郎は自分で料理を作らなくていいって
ことが決め手になったようだ。
「詐欺のおじさん、いていいけどぉ・・・」
「井ノ原っちをいじめたら私が許さないから・・・詐欺のおじさん」
そう言ってキッチンテーブルを叩き壊した。
「承知しましたお嬢さん・・・何度も言いますけど詐欺じゃないですからね」
「あちゃ〜・・・そのキッチンテーブル高かったんだぞ・・・明日から飯は
リビングのテーブルだな」
で、早速にも詐欺沼は、ふたりのために美味しい晩ご飯を作ってくれた。
そして次の日、他部郎は鷺沼だけ家に置いて、ランドセルを連れては大学のラボに
顔を出した。
公共機関は危ないと思った他部郎は車にランドセルを乗せて大学まで行った。
まあ、公共機関だろうが車だろうが襲われる時は襲われるんだけど・・・。
で、ラボの研究員のみんなや助手の吉川君にダマス・鷺沼って詐欺のおじさんが
攻め込んで来たってランドセルがしゃべってしまった。
「井ノ原っち・・・だから気をつけてねって言ったでしょ?」
「そうだね、吉川君・・・だけど、なにも襲われたわけじゃないからね・・・
ランドセルが大袈裟に言っただけだから」
「私、心配・・・黙ってこの状況を高みの見物してられない」
「なに言ってるのかな?吉川君」
「だから、その鷺沼って人、絶対怪しいって・・・井ノ原っち寝てる間に寝首
かかれちゃったらどうするのよ」
「ま、まじで?」
つづくかも、
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