かまちょドール。〜誰が私にハグして欲しいの？〜

第2話：人間の女の子を受け付けない井ノ原君。

「なによりお前にとってベストなことはランドセルは実体化してるから思う存分

エッチだってできるんだぞ」

「な、なんだって・・・エッチまでできちゃうのか？」

「ま、まじでか・・・いいなそれ、僕は人間の女性とはエッチできない体だからな・・・いいな・・・あ、いかん、私利私欲に走るところだった」

そう他部郎（たぶろう）は子供の頃から2や2.5キャラばかり追いかけていたから、

いつの間にか人間の女の子を受け付けない体になってしまったのだ。

「しかも、しか〜もだ・・・この中のランドセルは一糸まとわぬ姿、つまり

すっぽんぽんなのだ・・・だから衣装チェンジの楽しみもあるぞ」

「うそ、裸？・・・まじでか・・・僕の好きな衣装を着せられるのか？」

「むむむ・・・どうしよう・・・」

「待て、待て・・・帰るなよ・・・・考えてるからな・・・」

その時点で決心はついていたが他部郎はもったいぶって考えるふりをした。

「よ、よし分かった・・・いいだろうランドセルをもらうって条件を飲もう」

「ブラックホール発生装置の設計図が入ったUSBをおまえらに渡す」

「おお、そうか・・・そうではなくては、悪い条件じゃないだろ？」

「ではUSBを渡してもらおう」

「いやいやランドセルが先だ・・・うかつにUSBを渡して箱の中が空っぽって

ことだってあるからな」

「ふん、用心深いやつだな・・・分かった、じゃ〜ランドセルが先だ」

「おい、おまえら箱を開けろ〜」

雑魚キャラたちが箱のリボンを解くと箱がパカーンと四方に開いた。

そしたらそこに実体化した「ランドセル・サッチェル」本人が立っていた。

「お〜本物のランドセルだ・・・しかもやつらが言ったとおり、すっぽんぽん

お〜愛のV地帯にちゃんと、け、け、け、毛だって生えてるじゃん」

「やっほ〜い・・・誰？・・・誰が私にハグして欲しいの？」

「そこにいるお兄さん？」

「きゃほ〜〜〜い」

そう言うとランドセルは他部郎に走り寄って来て思い切りダイブして、

でもって、だいしゅきホールドした。

いきなりだったから身構える間も無く他部郎はランドセルごと後ろにぶっ倒れて、

脳シントウを起こすくらい思い切りアスファルトで頭を打った。

「あ〜いった〜・・・いきなり人に飛んできて脳挫傷で死んだらどうすんだよ」

「今日から、お世話になります・・・ランドセルだじょ〜ん・・・えと」

「はいはい」

「あ、井ノ原 他部郎（いのはら たぶろう）・・・・当年とって25歳」

「世界中で一番の君の大ファンだって自信持って言える」

「うん、よろしくね井ノ原っち〜」

「君も吉川君と同じで僕のこと井ノ原っちって呼ぶんだ」

「あ、吉川君ってのは、うちのラボで僕の助手してくれてる女の子」

「でも、ランドセルちゃんめちゃテンション高めだね、ランドセルってこんなキャラ

だっけ？・・・どこかバグってんじゃないの？」

「さあ、USBを渡してもらおうか」

そこで他部郎はUSBを幹部の男に投げ渡した。

「これで取引は成立だ・・・おまえは自分の私利私欲のために人類の運命を我々に売ったのだ」

「生きてるうちに、その女とせいぜい楽しむことだな、どはははは」

そう言って秘密結社バッド・ピーポーはとっとと引き上げて行った。

あ〜あ、他部郎はバーチャルかまちょドールが欲しいがために人類の命運をかけた

ブラックホール発生装置のデータを闇組織に渡してしまった。

どうなる人類・・・。

「あのさ、ランドセルそろそろ帰りたいんだけど・・・いつまで僕に抱きつい

てるのかな？？」

「それとさ・・・裸はマズいから・・・なんとかならない？」

するとランドセルは他部郎から離れると、一緒でどこかの女子高の制服を着ていた。

「ほへ〜そんな制服一瞬でどこから出してきたの？」

「私、デジタルの制服をアナログに変えられるんだよ」

「どう言う仕組み？」

「分かんない」

つづくかも。