第2話
「この問題、牧本さん答えてくれる?」
数学の授業、牧本さんはスラスラと黒板に文字を書いてゆく。
当然答えは正解。
「素晴らしいわ、難関私大の問題だったのだけれど正解よ!」
「いえ、偶然勉強した所が当たっただけですから」
──謙虚だ……
──美しい……
女子は尊敬の眼差しを向け完璧さに嫉妬なんてものは忘れ、男共はいつものことに惚れているのを隠せてない。
長く綺麗な脚。
そして牧本さんは悠々と自席の椅子を蹴る。
「みがゅん!?」
聞いた事無い声でたぞ。
◇ ◇ ◇
何でぶつけるのかって疑問は愚問だ。
牧本さんだからとしか言いようがない。
座る時にもうちょっと椅子引けば絶対ぶつからないんだが周りの目を気にしてよく見てなったからだろうな。
……ん?牧本さん今度はぶつからない様に椅子を引いたまま、更に座りやすいように通路側に座面向けて席を立ったぞ!
凄い、学習してる牧本さん。
馬鹿にしてる訳じゃない、これは本当に成長だ。
いつもならまた同じことを5回は繰り返す。
「素晴らしいわ、難関私大の問題だったのだけれど正解よ!」
「いえ、偶然勉強した所が当たっただけですから」
よし、今回は……って、やばい!
後ろの男子生徒が牧本さんの事を思って椅子と机をズレを直しやがった!
本人いいことしたなー、みたいな顔してるけどそれ逆効果だから!
それに気付かない牧本さん。
「ひぎゃぁ!?」
……さっきより酷い悲鳴だ。
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