第8話
実の両親に暴言を吐かれ、捨てられた時でさえ出なかった涙が……急に。
ホロホロと両目から溢れだす。
「「!?」」
「どした!?どした、おねーさん!?」
「よーーー!?」
私が急に泣き出したものだから、天使達がパニック。
男の子にいたっては、よー!?ってなんだろう?
「あっごめんねっ。ごめん、なんでも……」
慌てて涙を拭おうとした。
でも
「とどかん!!」
「しゃがんで、しゃがんで!!」
「?」
しゃがむ?
言われた通り、しゃがむと、小さな紅葉みたいな手が伸びてきて……
私の頬に触れる。
「どこかいたいの?」
女の子が左目から流れる涙を手で拭ってくれながら
「くるしいの?」
男の子が右目から流れる涙を、やっぱり拭ってくれながら聞いてくれる。
大きな猫瞳にあるのは心配の光。
もう無理で
暖かさが、優しさが、天使達が触れてくれているところからドンドン心に染み込んできて……
「あああああああああーーーっ!!」
「「っっ!!??」」
本格的に泣いてしまう。
大声を上げて、小さな子供のように泣きじゃくる。
「おねーさんっ。なかないでっ。なかないでぇ……」
「おねーさんっ。そんなにないたらなみだがなくなっちゃうよぉ……」
一生懸命、一生懸命、涙を拭いてくれる天使達。
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