第7話

「「はい」」



「え?」




二人から同時に手が差し出される。




「そのままそこにすわってたらつめたいのっ」



「おんなのひとは、からだをひやしちゃだめなんだよ」



「「ほら、はやく」」




いつまでも手を取らない私に、むーっとほっぺを膨らませる天使達。



大変っ!!



慌てて2つの小さな手を取ると、うんしょっと言う掛け声と共に立たせてくれる。



「ありがとう」



「カサもどーぞ」



「え?え?」



おねーさんはおんなのこだからピンクね!


と今度は女の子からピンクの傘が差し出された。



「いやいやいや、ダメだよ。それだとあなたが濡れ……」



「はやくするっ!かぜひくでしょ!」



「はいぃぃぃっ!!」



有無を言わせない迫力があった。



おもわず取ってしまったけどっ!



「ぬれる!ぬれる!」



「ぬれないよって、よりすぎっ!こっちがぬれるでしょ!」



天使達は仲良く?相合い傘をしてました。



ポンポンと交わされる会話。


笑顔。



それだけでこの二人がどれだけ仲が良いかがすぐわかる。



私は……



兄と姉と、あんな風に会話なんてしたことない。



あれだけ冷たかった雨があたらなくなって、傘の持ち手にはまだ女の子の温もりがあった。



暖かかった。

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