第7話
「「はい」」
「え?」
二人から同時に手が差し出される。
「そのままそこにすわってたらつめたいのっ」
「おんなのひとは、からだをひやしちゃだめなんだよ」
「「ほら、はやく」」
いつまでも手を取らない私に、むーっとほっぺを膨らませる天使達。
大変っ!!
慌てて2つの小さな手を取ると、うんしょっと言う掛け声と共に立たせてくれる。
「ありがとう」
「カサもどーぞ」
「え?え?」
おねーさんはおんなのこだからピンクね!
と今度は女の子からピンクの傘が差し出された。
「いやいやいや、ダメだよ。それだとあなたが濡れ……」
「はやくするっ!かぜひくでしょ!」
「はいぃぃぃっ!!」
有無を言わせない迫力があった。
おもわず取ってしまったけどっ!
「ぬれる!ぬれる!」
「ぬれないよって、よりすぎっ!こっちがぬれるでしょ!」
天使達は仲良く?相合い傘をしてました。
ポンポンと交わされる会話。
笑顔。
それだけでこの二人がどれだけ仲が良いかがすぐわかる。
私は……
兄と姉と、あんな風に会話なんてしたことない。
あれだけ冷たかった雨があたらなくなって、傘の持ち手にはまだ女の子の温もりがあった。
暖かかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます