第3話、勇者、魔剣を持って魔王に挑む

頼むから気がついてくれ、勇者よ。いくら見た目から判断しては良くないという言葉があるがこればかりは見た目で判断してくれと思っていた。



あそこまで禍々しい見た目をしている剣を普通に装備する!?絶対に危険だと感じて装備などしないよねと思っていると聖剣があれは間違いなく魔剣ですと教えてくれた。



見た目から見れば・・・まあ、教えてくれたからありがとうと伝えたけどそれにしても向こうの魔剣は何も話さないのかと考えていると魔剣から言葉が聞こえてきた。



「殺せ、血をよこせ!!世界を恐怖に落とせ。そしてこの世を混沌に満たせ!!!」



あれ絶対に魔剣だー!!と叫んでしまった。いくら何でも無理だよ、他のやつかも知れないと思っていたけどあの言葉を出す剣が他にもあってたまるかと考えていた。



それにしても他の仲間達がいないようだがどうしたのかと尋ねると勇者は下を向いたのでもしかして部下でも戦って討ち取られたかと聞くと勇者は信じられない言葉を口にした。



「アイツ等は自分が犯した罪を擦り付けて今頃、牢獄の中で後悔でもしているだろうな。全くも迷惑な奴らだったがお陰様で自分の懐が暖かくなったから良かったけどなハッハッハ」



お前はそれでも勇者なのかー!と怒りながら言った。



誰だよこんなやつを勇者にした馬鹿な奴は王様か、神々かそれとも噂の異なる世界の者たちのせいなのかと言うと勇者がお前にだけは言われたくはないなと言われた。



いやいや、仲間をなんだと思っているだこの勇者はと思っていると勇者は何か勝手に語りだした。



「そしてここでこの剣と共にお前を討ち倒して・・・そこからは王国の姫と結婚してそこからは王子として地盤を固めた後に王となりそこからは世界征服に乗り出してやる。そしていつかは世界を支配する帝王になるのだ、ハッハッハッハッハッハ!!」



あの・・・勇者もしかして我よりも魔王の方が適任ではないかと言うほどに魔王らしいですけどでもとりあえずはそんな事をしては世界が滅茶苦茶になってしまうとしてここはプライドなど気にせずに一斉に攻撃をする。



攻勢をかけるぞと側近達に声をかけたが反応が返ってこないなと感じて周りを見てみると側近並びに四天王たちが一斉に勇者に向かって頭を下げていた。



「勇者様、貴方様が私の探していた本当の主なのですね。これからはあなた様の為に命を尽くします」



・・・・うん?これってもしかして・・・・裏切られたーー!?嘘でしょう、今まで普通に尽くしてくれていて我もかなり良い待遇にしていたのに何でだと考えていると勇者が残念だったなと言われた。



本当に残念過ぎるでしょう!?長年付き従っていた部下がつい先程に出会った男に寝返るなんて想像出来るか!!



そうして高笑いをしている勇者の元に多くの魔族たちが貴方様が我々の主に相応しいで御座いますと歓迎をしていた。



伏せていた魔族たちすら勇者側についてしまったのだけどそんな事を考えていたら今度は明らかに悪人だなと思う人たちが現れてから勇者に声をかけた。



「勇者様、この者が魔王なんですな。約束通りに戦いに参加すれば罪を帳消しにしてくれるですよね」



「クックっクック、お前たちの働き次第になるが勇者の名のもとに約束をしよう。せいぜい頑張ってくれよ」



うわ〜あの顔は絶対に安速を守るつもりがない顔になっているけど。勇者ってこんなに悪党なの、魔王の我が言うのもなんだけど勇者よりも魔王の方が似合っているよと言いたい。



そんな事を考えていたら側近が我に向って冷たい視線を送りながら話してきた。



「それでは無能の魔王を殺して早く我らの理想の魔王様に相応しい者に魔王の座を譲るために死んで下さい」



「阿呆か!それではい、わかりましたと言って死ぬやつがいたらこの目で見てみたいぐらいだ」



そうかなら殺されることを選ぶのですねと言って周りの魔族や山賊みたいな悪党たちが一斉に我に向かって攻撃をしようとしていた。



それを見ていた聖剣が救世主様、このままで危険です、一度退却しましょうと提案を出された。



数は少なくても1万以上はいますいくら救世主様が強くてもとても危険だと私は判断しました。



なるほど敵の戦力は1万程しかいないのかならば平気じゃないかと伝えるとそんな事はありませんと反論された。



確かに聖剣を持つ者に力を与える事はできますがそれでもこの数を相手にするには足りないとして逃げるべきだと言っていた。



そうか、でも逃げるのは面倒くさいから我は勇者に対して問いかけるのだった。



「一つだけ聞いてもよいか勇者よ。これがお前が出せる最高戦力なのか」



「当然だろ、あまりにも多い戦力に恐れを抱いたか魔王。しかし、逃げるのは不可能だと伝えておくぜ・・・遺言なら勇者の慈悲として聞いておいてやるが」



なるほどそれを聞いて安心した、これが総戦力なら何も心配することはないとしてホッとしていたら何がおかしいと言われたので素直に答えるのだった。



「我を倒すにはあまりにも少ない戦力だから用心をしなくても良いなと安心したまでよ」



そう言い終えると一斉に攻撃を開始したのであった。弓矢、魔法攻撃してきた。



聖剣が救世主様ーー!!悲鳴に近い叫び声を上げた。



アングリがいた場所には数え切れない攻撃を受けて砂煙が立ち込めていたのだった。

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