第2話、魔王、部下たちに怒られる
そうやって魔法で我の過去を流し始めたのである。その映像を見て四天王たちが我を掴んで怒鳴り込んできた。
「魔王!お前、何で俺たちが知らないところで人間たちの街に忍び込んでいるだ」
「しかも人間に変装して教会に多額の寄付をしているのはどんな言い訳をするつもりだ!!早く、その理由を言え!!」
我はすぐに落ち着いてくれと言ってからその訳を話し始めた。
良いか、人間に変装をしているのはとある目的があってやっている事だ。それは人間たちに魔族とはそんなに怖いものではないと知らしめるために大切な布石でありその為にまずは友好関係を築くためにこうしている訳だ。
それを聞くと普通に攻めて滅ぼせば良いじゃないかと言われたが魔族は数が少ないのだ!この世界を魔族一つの種族で支配するには広すぎる。
だからこそ魔族と仲良くできる者達はしっかりと残して共に共存できるようにしているのだ。
人間たちの中にはとても良いやつがいるそれを見極める為にそしてその者たちが魔族と友好関係にさせる為に動いているのだ。
決して私欲などで動いているわけではないと説明をした。
すると余計に駄目だろ!!と怒られてから魔王らしくしてくださいと言われて四天王たちに説教をされてから側近が聖剣に対して語りかけた。
「確かに魔王様はあのような愚行をすれば聖剣と言えども勘違いをするのは分かりました。しかし、いくら一回の間違いだけで判断をするのは早計ではないでしょうか」
「側近さん、私が一つだけだといつからそう思っているのですか。まだまだ多くありますよ、その中でも私はラインアップしているだけですよ。次はこれを見てください」
そう聖剣が言うと周りの四天王や側近たちがとても冷たい白い目でこちらを見てきたがそんなに失望したような目でこちらを見てくるなと思いながら我は良いから止めてくれと聖剣に言っても聖剣は遠慮なく次の話を流し始めた。
それをしばらく鑑賞してからまたしても四天王たちが我を掴んで怒ってきていた。
「お前は余計なことしか出来ないのが、私達がわざわざ作り出したエルフたちを皆殺しする為の疫病を治す薬を作り出して本当に殺しますよ!魔王!!」
「いやいや、こればかりは相談して来なかったお前たちにも非があるよな。これは我だけが悪いわけではない、お主たちにも非はあると思うが」
「そんな事がありますか!第一、エルフなど生かしておいても何も価値がないのに。それに私を知っていますよね。私はダークエルフですよ、エルフをこれで根絶やしに出来ると思って喜んでいたのに失敗して落ち込んでいたのですよ。まさか、犯人が魔王だったとは思いませんでしたけど」
やべー、四天王のダークエルフが滅茶苦茶に怒っている。確かにエルフとダークエルフは仲が悪い事は有名だけどそこまでしなくても良くないとして我は話を始めた。
「良いか、我が世界征服を終えた時に約束通りにダークエルフを繁栄させると約束をした。それを破るつもりはない。しかし、ダークエルフが絶対に住むことができない森があるだろ聖なる森はそこぐらいはエルフが住んでも良くないか。どうせダークエルフでは住むことが出来ないのだから」
「そんな事でダークエルフたちが納得できると思っていたら大間違いですからね。私も含めて魔王に反旗を翻しますよ」
「いやいや、ダークエルフが頑張っても世界の森の半分も使えないよな?1割2割程度はエルフにでも使わせたほうが良くないか、それ以上の拡大は我が止めるつもりだかさ」
そうして側近がまあ、これは相談しなかった私達にも非は一応、ありますから・・・ほんの僅かですけど。
そうして側近が止めてくれたので一応、助かったと思っていると聖剣がまだまだありますよと言って他の映像を流し始めた。
それを観た側近がこの魔族の裏切り者!!!と言って先程まで止めてくれていた魔族とは思えない剣幕で我を殴りながら怒っていた。
その気迫に他の四天王たちはうわ〜と言って白い目でこちらを見ているだけであったが側近だけは殴り続けていた。
痛いから側近だけに強いから痛いからと止めるように言ったが側近が気迫な表情で言った。
「私がどれだけこの国を傾かせる為に王族たちをこのサキュバスの力で堕落させたと思っているのですか!!それをクズ(魔王)な奴に全て台無しにさせられるなんて悔しくて堪らないですよ」
今、クズと読んで魔王と書かなかったか、この側近!?
既に部下たちからの信用が地の底まで落ちてしまったのだけど。いや、聖剣としては正しいあり方なのかと戸惑いながらも攻撃を受け止め終えてから聖剣が私が言っていることは間違っていますかと言った。
するとその答えは側近も含めていいえ、間違っておりませんと言ってきた。
そして我が魔王の風上にも置けない奴だとは思いませんでしたがと失望しましたよ魔王と言われてしまった。
そこまで言うかと思っていた時に近くに人の気配がしたのでここまで来るとしたらそれは勇者達しかいないと思いながら振り返るとそこには確かに勇者が現れた。
しかし、我は思わずに驚きのあまりに声を上げてしまったのだ。
その理由は勇者がなんと魔剣を持って現れたのである。何で勇者が魔剣を持ってきているのしかもしっかりと使えているのと疑問に思って聞きたいことも多くあったが何よりも我は勇者に伝えるのだった。
「勇者よ、色々と話を聞きたいことがあるが・・・その魔剣とこの聖剣を交換しないか?共に利益になる話だろ」
我がそう提案に乗ってくれるだろうと思っていたが勇者から信じられない答えが返ってくるのだった。
「魔王め!そんな事で自分を言いくるめようとしても無駄だからな。自分この剣と共にお前を倒してみせる」
その・・・意気込みはとてもいいことかもしれないけどその剣、きっと魔剣だよと伝えるのであった。
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