星乱神話

沼津平成

プロローグ

 その昔。

 日本の、平安時代の、京の街に琵琶建保びわけんぽうという琵琶法師がいた。

 琵琶建保はある日、釣りに出かけた。

 いよいよ大物がかかった。琵琶がそれを釣り上げると、釣れたのは立派な船だった。


「船……?」


 見ると、濡れた札があった。なんとか読み取れたその文は、『とれた人から、お好きにお使いください。』だった。


「そうか、じゃあ使わせていただくぜ!」そういうと琵琶建保は船に乗って旅を始めた——。

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