第15話
「あ、水戸さん〜」
「元気でした?」
「いや、1日合わなかっただけなのに初手でそれ言う?」
「なんとなくそう思ったんですよ!」
「あ、そういえば兄さんが水戸さんのこと呼んでましたよ」
「え?」
「なんか良いことを教えてあげる的な...」
良いこと?
まぁいいや行ってみよう。
「分かった。行こっか」
「はい」
家に着き、
チャイムを鳴らそうと手を伸ばした。
するとボタンを押す前にドアがガチャと開いた。
「お、来たか」
「じゃあ玄関入って」
押してないのになんで来たって分かったんだろう。
しかも私の事見えてないはずなのに...。
やっぱり私の事見えてるんじゃ...
「お前さ、実の家族に会ったんだろ?」
なんで知ってるの?
どこかで見てたとか?
やっぱりこの人怖い...。
「...まぁ」
「お前のこと、見えてたっぽいな?」
なんで?
なんでなんでなんで?
なんで私の声が伝わってるの?
前は聞こえてなかったじゃん!
どういうこと?
この事、陸久は知ってるの?
そう思いながらチラリと陸久の方を向くと、
はてなマークを浮かべながら
微笑む陸久の姿があった。
「なんで...声...」
「ん?なんでだろうなぁ?」
私がそう問うとお兄さんはニヤリと笑う。
もしかして、最初から聞こえてたってこと?
「今日..は、なんでお兄さんは私を呼んだんですか?」
「...その質問に答える前に、俺のことお兄さんって呼ぶのやめてくれない?」
「別に俺、お前の兄じゃねぇし」
「お兄さんって呼んでいいの陸久だけだから」
凍りついた空気に低い声が響く。
「ぁ...じゃあ名前って..」
この人と喋るとだんだん声が小さくなっていく。
「俺は空河」
「じゃあ空河さんで...」
「それでいい」
「んで、今日お前を呼んだ理由だが」
「お前、幽霊が見える方法って知ってるか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます