第4話
「それで、水戸さんのお姉さんってどこに居るんですかね?」
「多分家だと思うけど...」
待って、私の家ってどこだっけ?
いくら思い出そうとしても思い出せない。
なんでだろう。
「じゃあ行きましょっか!案内してください」
「それが...思い出せないんだよね...」
「...やっぱり幽霊って徐々に忘れてっちゃうんですか?」
「多分ね」
「じゃあ色々早くしないとですね」
「そうだね」
その時、
うーんという声と共に1人に男性が通り過ぎる。
「どうかしたんですか?」
そう陸久が問いかけると
「少し前から首から背中にかけて痛いんだよね...」
と答えた。
陸久は何も言わず、ただ沈黙が訪れる。
「どうしたの?」
と聞くと
「この人、女の子を肩車してます」
と呟いた。
私も確認すると、
そこには黒いモヤがかった何かが
肩車されているように男性の首に座っていた。
「おじさん、娘さんって肩車好きだったんですか?」
急に何を言い出したと思ったら
ストレートに聞く陸久。
そんなこと言ったらまた変なやつだと思われる気が...。
「ああそうだよ、でも俺の娘は2年前、亡くなったんだ」
「てかなんで知ってるんだ?」
「まぁいいか」
男性は不思議に思っているようだった。
そりゃあそうだよね。
でも普通に考えて、
他人がプライベートのことを知ってるって怖くない?
「そうなんですか...」
「でも大丈夫ですよ!娘さん、きっと今もそばにいると思います」
「そうか...ならいいんだが..」
そう言って男性はそそくさと去っていった。
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