第8話
翌朝、目が覚め体を起こすと、少し身体に痛みを感じた。起きれないほどの痛みではなく、ベッドから起きようとする。横で寝ていたルルが、反応して、欠伸ををしながら、目を開ける。「起こしちゃったね、ごめん。まだ、寝てていいよ。」そう言うも、首を横に振り、肩にとまってくる。苦笑しながら、ベッドから起き、部屋を出る。ドアを開けると、すぐに階段があった。2階だったらしい。一階に降りると、台所に、ご飯を食べる、複数人用の少し大きいテーブル、椅子、後は、ソファーのみで、最低限のみのものしか置かれていない部屋だった。寝息が聞こえたため、そちらを見るとカソラスが、ソファーで寝ていた。台所に行き、食料を物色すると、いくつか食材があった。騒動後、ご飯もろくに食べておらず、お腹が減っていたため、朝食を作ることにした。食材を切り、そして、火を点け炒める。孤児院で料理をしていた事を思い出す。料理は無心でできるから好きだった。特に、孤児院をでる、最後の2年間は、考え事ばかりしていたから、毎日3食台所に立っていた。そんな事を考えていると、匂いに釣られたのか、カソラスが起きていた。「おはようございます。ごめんなさい、起こしちゃいましたか?」そう言うと、「おはよう。そんな事ないよ。」と欠伸をしながら言う。そして、「お前、料理できるのか?」「はい、孤児院の時してましたから。」「そりゃ、楽しみだ。久々の手料理だしな。顔洗ってくる。」匂いを嗅ぎ、台所から立ち去った。
数分後、料理ができた為、ソファーに座って、手紙を読んでいたカソラスに声をかける。「おお、すぐ行く」そう言い、手紙を服の中にしまったカソラス。いつもとは、違う真剣な表情で手紙を読んでいた為、少し声をかけるか迷ってしまった。テーブルについた2人と一体は、レックスが作った料理に舌鼓を打ちながら、今後の流れを話した。「お前、体の方は大丈夫か?」そう聞かれ「少し、痛いですけど動けなくはないですね。」そう返すと、じゃあ午後から、一緒に、竜人化について、検証しようか。「一緒にしてくれるんですか?」俺は、てっきり、別々に行動すると思っていたため、びっくりしながら聞くと「当たり前だろ、俺もどんなもんか知っときたいし、それに面白そうだし。」笑みを浮かべて言うカソラスに、「それが、本心でしょ。」そう言うと、「どうかなー。」とはぐらかされてしまった。そして、カソラスとの、検証の日々が始まった。
まず、竜人化についてたが、竜人化したいと思い、竜人化した姿をイメージしたらできた。これは、ルルの意志関係なく、俺に主導権があるらしい。また、解除したいと思えば解除もできた。次に、俺とルル離れててもできるのかだが、少し離れていてもできた。ただ、ルルが家の中にいて、俺が外にいる時はできなかった。距離の問題か、姿が見えていないといけないのか、それは現時点ではわからない。そして、竜人化の持続時間だが、魔力を使用しなければいくらでも維持できた。カソラスが言うには、竜人化した際、俺たちの魔力はとんでもない量になっているらしい。その魔力を消費し切ると、強制的に解除されるらしい。そして、性能面だが、凄かった。身体面は、人間のレックスだった頃とは違い、大幅に強化されていた。スピード、パワー全ての面に置いても凄かった。試しに、カソラスが練習用にと連れてきた、イノシシの魔物と魔法なしで戦ったが、イノシシの突進を苦もなく受け止めて、そして脳天にパンチ、それだけで倒せてしまった。ただ、本気で動くと速すぎて処理に追いつかず、制御しきれていないので、もっと頑張らないとと思った。そして、尻尾の蛇は、ある程度意志はあるが、俺がこうしてと思ったら、そう行動をとってくれる。そして、後ろの視界も蛇を通して見ることができたが、情報量が多くなりすぎてすぐに解除してしまった。ここも今後の課題だと思った。滑空、浮遊などは、簡単にできた。別に意識しずとも歩くような、走るような感じで。まだ慣れないが……そんな感じで身体面の性能を確かめて、次は魔法面だが、俺は魔法の使い方が分からない。そう、カソラスに言うと、「俺も教えるの上手くないし、どうせ、学校で習うだろ」と、そして、「魔法見た事ないの?」と聞かれ、そういえば、タングが魔法っぽいのを使っていたなと思い、「多分……」と自信なさげに言うと、「多分ってなんだよ」と言いながらも、「その魔法をイメージして、体にあるなんか、熱いやつをバァーと出しちゃえば出る。」そう言ってきた。どういうことかほとんどわからなかったが、とりあえず、あの斬撃をイメージしてから出すイメージでやると、シュッと音を立てて、数メートル先にある木の枝を落とした。これが魔法かと興奮していると「まだまだだな、魔法効率も威力も何もかも全然ダメ」と揶揄うように言ってくる。「説明が分かりにくいんです」と言うと、「お前のセンスがないだけ」と、言い返そうとしたが、「まぁ、初めはこんなもんだろ、学校で習え」と言われ、そうだなと思い開いた口を摘むんだ。そんな感じで、入学1日前までを過ごした。
キメラを拾って竜人となる 金光 @BUZZU
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