恋愛相談所へようこそ
kこう
恋愛相談所へようこそ
恋をしたいかと聞かれた時、きっとほとんどの人が一度はしてみたいと答えるはずだ。
けれど、どのような恋をしたいかと聞かれたらそれは人によって違うだろう。その恋にはそれぞれの物語や過程、思いがあって、結ばれたり振られたり、ときっと今日もどこかでそうなっている。
俺はそんな中思うんだ。そういう恋を見たいって。
体験したいのではない、傍観していたい。甘酸っぱい青春を眺めていたい。
恋が成熟して笑顔で幸せになるシーンを見たいんだ。…もちろんただ眺めているだけではない。時にはアドバイスをしたり、きっかけを作ったりもしている。
たまに、この俺の行為が変だというやつもいるが、俺がやってるのは恋を見ていること。それが現実か、小説やアニメかの違いなだけ。
…ただ、当然現実である以上そんなにぽんぽん恋愛沙汰が起きるわけではない。
けれど、もっといろんな恋を見たいと思った俺はいっそ自分で増やすか、と思い高校になってから「学生恋相談所」という部活を立てることにした。
すると、俺のアドバイスで恋が実ったという噂が近くの学校から広がっていたためかすぐに多くの相談が来るようになった
「…というのが今までの経緯だな」
「普通そうはならんやろ、ってツッコミしたいところだけど実際そうなってるもんなあ。」
「おかげで、いろんな恋を眺められて俺は幸せだよ。」
ある日の学食で、そんな話をしている二人がいた。
俺の名前は
髪は黒のショート、顔は普通ぐらいで勉強や運動は少しだけ人よりできるぐらいの普通の一般高校生だ。
そして、向かいに座って昼飯の焼きそばパンを食べているのは
「…ほまへもほいふへはいいほひ」
「なんか言いたいならその口にある焼きそばパン食ってからにしろや。」
訂正、こういう細かいマナーもこいつには足りない。
***
「さーて、じゃあ今日も部活動やっていきますかね。」
放課後、いつも通りの部室にやってきた俺は荷物を置いて準備をする。
部活といってもほぼ俺の趣味であるため部員は一つで部室もそこら辺の物置を借りて机を置いてあるだけである。
「…。」
シーン
「…はぁ。」
物置には俺の小さなため息が響く。
そう、俺の部活が人気だったのは本当の本当に最初期。まだ高校が始まって時間が経ってないのもあり、最初に受けた依頼をこなしていこう本当にたまにしか人が来なくなってしまった。最近ではただ本を読んだり自習したりするただの俺の部屋みたいになっている。
…ちなみにあいつの前では普通に見栄を張った。
「このままだと、活動不足で廃部もあり得るよなあ。掲示板に張った宣伝のポスターも意味なかったし。…いっそのこと、なんかどでかい依頼の一つでも入らないかなあ。」
―――ダッダッダ。
「たのも~~!!!!!」
「…うわっ!?な、なに?だれ!?」
今日も人が来ないのかなあっと思っていると、大きな足音が近づき扉が思いっきり開かれた。
そこに現れたのは茶髪のロングの美少女だった。あまりに唐突すぎる訪問のため、俺はめちゃくちゃ驚いた。
「ここ恋愛相談所だよね」
「は、はいそうですけど。えっと、あなたは?」
「私は
そうしてその彼女は高らかにそう宣言をしたのだった。
恋愛相談所へようこそ kこう @kwkou
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