第3話

聞きました!?



皆さん、聞きました!?



嫁だって!!



ギャーーーーーーーッ!!




「せめてそこは、キャーーーーッで」



「え!?」




蓮くんがあたしの前まで来ると、肩を抱き寄せる。



ぬぇっへっへっへっ。




「なっ、なんだよ!?アンタッ」




いやいや、さっき言ったでしょうよ。




「旦那だよ」



「声が小さいっ!!」



「旦那ですっ!!」



「よしっ!!」




それでよしっ!!




「だ……旦那…」



「なんだ……結婚してんなら……そう…言えよ」




多分、というか間違いなく、蓮くんに恐れをなした男達がジリジリと後ろに下がりながら言い……




「「すみませんっしたーーっ!!」」




退散した。



さすが蓮くんだ。



しかし何が恐いのかねぇ……こんなにもカッコいいのに。




「ありがとう、蓮くん」



「……なんでこんなところに居る?」




おおぅ……怒ってる。



恋人繋ぎで手を繋ぎ、どちらともなく歩き出す。



家に向かって。




「蓮くんのお迎え」



「危ないからお迎えはダメだって言ってるだろ」



「だって……」




だって……




「うん?」



「すこしでも早く会いたかったんだよ……」



「それはっ、俺もだけどっ」



「だけど?」




繋いでる手がブラブラ揺れる。




「こうやっていつも助けれるわけじゃない。心配なんだよ、ハイネのことが」




真剣な表情で真っ直ぐ目を見て言われる。




ぐぅ……。




「お前になにかあったら俺は……」



「蓮くん……ごめんなさい」



「俺も、怒ってごめん。迎えに来てくれたのに」



「「……」」




立ち止まるあたし達。



そして触れるだけのキスをする。




「「仲直り」」




オデコをくっつけあって笑い、ゆっくりとお散歩デートをしながら家に帰った。

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