第2話
ハイネside
でぇっへっへっへっへっへーー。
あたしは蓮くんから貰った結婚指輪を月に翳して笑う。
シンプルなプラチナリングで裏側に
と彫られている。
嬉しいな。
ルンルン気分で目的地目指して歩く。
しかしまさか蓮くんが、あたしが八雲さんを好きだと思っていたなんて。
そりゃあ八雲さんは大切で大好きな人だ。
けれどそれは“家族”として“兄”として、だ。
ずっと好き好き光線を出していたというのに、気付かれていなかったとは……。
優しくて楽しくて、真っ直ぐで真摯な蓮くん。
「チビネッ」
そしてあたしだけを見てくれる蓮くん。
皆は恐い恐いって言うけれど、あたしにはクリティカルヒットで好みの蓮くんの顔。
好きにならずにいられるかってんだ!!
大好きだっ。
付き合ってくれをすっ飛ばして、結婚してほしいにはビックリしたけれどあたしの答えは1つ。
青木ハイネ、良い名だねぇ。
「んっふっふっ」
近道に大通りから裏道に入る。
只今早く蓮くんに会いたくて、蓮くんの職場に向かっているのだけれど……。
居るよねぇ……
薄暗い道を通る女を狙うハイエナなのような男達が。
ハァァ……。
「姉ちゃん、姉ちゃん。どっこ行くの?」
「俺達と遊ばなーーい?」
ニヤニヤと声を掛けられる。
「遊ばない」
素っ気なく言い、男達の横を通り過ぎようとするも
「そんなこと言わずにさー」
「遊ぼーぜ」
捕まりそうになる。
けれど……
『……オイッ』
「!!」
「ハッ!?」
「ああ!?」
声を掛けられ男達が振り返る。
そこには
『俺のよ……よよよよ嫁に指一本触るんじゃねぇよ』
「蓮くん!!」
息を切らしながらこっちに向かってくる蓮くんの姿があった。
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