ジャンル選びに悶々(2)

 よく考えれば、今住んでいる現実世界に起こる不思議現象がテーマじゃない。

 じゃあ異世界なのと問われれば、私が想うような、つまり、ふだん読むような異世界物語ではないし、あらためて眺めればファンタジー要素もなんか希薄。


 バンバン魔法が飛び交うでも人以外の種族がやたら登場するわけでもない。神器や秘宝探索も、竜のおさも魔王や最強魔物の討伐も、とらわれの姫君の救出もしない。伝承や神話の片鱗へんりんも感じないし、もちろん転生や無双など眼中にない。すごいメカが出現するわけでも宇宙船が出てくるのでもない。


 ないない尽くし。


 どこかにある普通の世界で暮らしている住人たちが、自分たちの力でやっかいごとにあらがって、何とかものごとを解決しようとする物語なのだから。


 やはりヒューマンドラマなのかしら。浮気心がもたげてきます。


 ちなみに、お姫さまは出てきます。それもたくさん。大盤振る舞いです。とりあえず困ったときの常套じょうとう手段です。はい、関係ありませんでしたね。


 平民が成り上がって頂点に立つ物語、大好きです、読むのは。

 ですが、自分でく段になると、いや、それは無理でしょ、やはりそれなりに手腕をふるえる立場の人でないと世の中は動かせない、と想っちゃいます。だからそういった身分の者を中心に据えちゃいます。




 考えあぐねる間にどんどん意識が後退していく。ここで踏みとどまらないとどこまでも深く海底まで沈んでしまう。


 でも、遠い将来も実現しそうにない現象を伴っているのならファンタジーなのでしょう。それも自分がよく知っている現代世界じゃないから異国。

 はい、これでもう決まり。


 浮上した。




 思うんだけどさ、そんなに悩まなくても、キーワードとかタグに入れればいいじゃん?


 そうでした。何でも検索で探しまくる人、ここにもいました。

 さっそく小説を読もうでキーワードにチェックして入力、サイエンスファンタジーと。


 検索結果:0作品。


 えっ?


 ならば、あらすじにチェックして再検索。これならいっぱいあるでしょ。

 しかし、これでも出てきたのは1ページに収まり人の指を総動員すれば数えられる程度、いたく少ない。(連載開始前のことです)


 カクヨムではどうなん?


 はいはい。タグを選んで検索すれば、同じくらいの数。小説を選ぶともう少し多いけれど、これは概要のどこかに書いてあるってことだよね。


 その皆さまがジャンルを何にしているか観測しました。

 小説家になろうでは、SF、ハイファン、ローファンが三大勢力(大げさ)、カクヨムのタグ検索では、過半数がSF、そして現代ファンと異世界ファンが少々。


 気になったのは、小説家になろうで、その他のその他とノンジャンルがそれなりだったことです。その他のその他って? そしてノンジャンルの方々の旧ジャンルは何だったのでしょうか。気になります。


 ちなみにSFファンタジーとインプットすれば、まあぞろぞろ、数十倍は出てきます。この格差はなに? サイエンスファンタジーは認知されえぬワードなのかしら。これでは得票を集めきれずに供託金を没収されます。


 でも、SFファンタジーは、私の感覚ではサイエンス・フィクションにファンタジー要素をプラスであって、理論武装を試みたファンタジーじゃないの。




 小説家になろうでは、キーワードに入れるとぼっちになる。論外。カクヨムで、8つしか設定できないタグにレアワードを設定していいのだろうか。かなり躊躇ためらわれました。もっと重要な外せないワードがたくさんあります。


 しばらく考えてタグに入れるのは諦めました。あらすじに置くことも考えましたが、レアワードとあらば敬遠されるかもしれない。とりあえずやめておくか。




 ということで(どういうことだ?)、何とかジャンルは決まり、タグもつけ、あらすじももだえながら形にし、体裁は整った。

 いざ出航。


 主菜はハイ(もしくは異世界)ファンタジー、それなりに理屈っぽいサラダを彩りよく。ええ、野菜は大事です、命をつなぐものです、肉食獣と体の作りが違うのだから。そして、全開の人間ドラマはさしあたりお代わりし放題の飲物。お酒が入ると口が軽くなり話もはずむしね。(私のように眠りこけるやからもいます)


 今思えば初志を貫くべきだったかも知れません。そう考えるほどにまた泥沼に沈んでいく。ロー(現代)が相応ふさわしかったと考えます。何でハイにしたのかなあ。今さら変更できないけれど。

 何ごとも初心忘れるべからず、です。




 そういえば、短編の方はどうなったのよ?


 そうでした。忘れていました。でも、長くなりそうなので小休止。



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ジャンルだけでこれほど長くなるとは思いませんでした。堂々巡りで実のない話を読んでくださった方には感謝しかありません。

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