第5話 壊れていく日常と、反撃
そしてそれから。
俺の生活は恐怖で彩られることになった。
生活の隙間に少女の生首が出現し、俺を恨めしそうに見るんだ。
何回も続くうち、悲鳴を堪えることはできるようになったけど。
恐怖は消えなかった。
場所は関係ない。
自宅だけ、会社だけ。
そういうのは一切なし。
どこに行っても付いてくる。
映画に行ったとき、自分の座席の足元に居たときは心臓が停まりそうになった。
気が休まる暇がない。
……このままじゃノイローゼになり、廃人になる……
そんな予感があった。
なので……
(お祓いを受けよう)
そう思い、俺の氏神さんがいる神社の神主さんに頼み込み、お祓いをして貰ったんだ。
神社の本殿かな。
そこで正座し、神主さんが「かしこみかしこみ」と言いながら、ビラビラが付いた棒……
これで安心か……?
お金も結構寄進したしな……
お祓いを終えて、家に帰って来た。
そしてまだちょっとビクついてはいたけど。
トイレに行ったんだ。
そしたら
「ぎゃああああああ!」
……トイレの床に、居たんだ。
洋式トイレの便器の横に。
お祓い、効果無かったんだ。
俺は腰を抜かし、脱糞した。
大きい方を我慢してたからな。
そして例の如く。
目を離している間に、生首は消えた。
俺は安心すると同時に。
立ち上がってパンツを脱いで、風呂でウ〇コで汚れたパンツを洗った。
……幸い、ズボンには染みていない。
脱糞するなんて何年ぶりだろうか……?
そして情けなくなりつつ、パンツを洗い続けていると
……段々、怒りが湧いて来た。
何で俺がこんな目に遭わないといけないんだ?
俺はただ、違法DVDで女子中学生がアヘ顔を晒して感じまくっている様を見たかっただけなのに。
その報いがこれかよ……?
納得できない。
俺はあの子を殺したわけじゃ無いんだぞ!?
何で俺がこんな目に遭うんだ……?
理不尽だろ。
こんなの……パンチラを見た報いに、前歯を折られるくらい……いや、それ以上!
明らかにやり過ぎだろ!
許せない……
あの女子中学生……!
メスガキッ!
ワカらせる!
俺の心は、怯えから怒り……いや、復讐心で一色に染まっていく。
そして洗い終えたパンツを洗濯物入れのかごに放り込んだ後。
新しいパンツを履き。
リビングに戻ったら。
……また居た。
今度はテーブルの上で。
俺を恨めしそうに見つめている。
見た瞬間、恐怖が湧いたけど。
それ以上に怒りが湧いて。
俺真っ直ぐに少女の生首に近づいた。
そしてその生首を両手で持ち上げて。
俺はその唇にキスをしたんだ。
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