第4話 嗅覚レッドの決意
翌日、一行は次なる目的地である山岳地帯へと向かっていた。ライナスによると、疲労波を放つ敵がこの地にも潜んでいるという。
「さて、今日こそ俺の出番だな!」とタケルが自信満々に言い放つ。嗅覚を司る彼は、どんな匂いも敏感に察知する能力を持つ。敵の位置を突き止める役割を果たせるという自負があった。
だが、タケルの行動はしばしば無鉄砲で、他のメンバーからは心配の声が上がる。「タケル、本当に慎重に頼むよ……」とミカが声をかけるが、彼は笑って流すだけだった。
山道を進む一行の前に、再び疲労波を操る敵が現れた。今回は、霧を纏い姿を隠すタイプの敵だ。周囲に霧が立ち込める中、タケルは鼻を鳴らしながら言った。「よし、匂いで敵の位置がわかる!こっちだ!」
その声を合図に、一行はタケルの後を追った。だが、彼の勢いが強すぎた結果、敵の罠にかかり、霧の中に分断されてしまう。「しまった……!」とアオイが叫ぶが、タケルは焦りながらも敵に突撃する。
だが、敵の攻撃はタケルの動きを完全に封じ込める。彼の短気な行動が招いた結果だった。「くそ……俺が、俺がもっと冷静に動いていれば……!」
その時、アオイの冷静な指示で他のメンバーが駆けつけ、タケルを救出した。全員が力を合わせ、敵を倒すことに成功する。
「タケル、大丈夫か?」とリナが手を差し伸べる。タケルは悔しそうに顔を伏せながらも、その手を掴んで立ち上がった。
戦いの後、タケルは自分の無茶な行動を振り返り、初めて仲間の存在を素直に認めるようになった。「俺は一人じゃダメだ。みんながいてくれたから、俺はここにいられる。」
その言葉に、他のメンバーは静かに微笑んだ。タケルの熱血的な行動は仲間に勇気を与えつつも、彼自身が成長するきっかけとなったのだ。
「これからは俺、もう少し冷静になるから。……たぶんな!」そう言って笑うタケルの姿に、8人の絆がさらに深まるのを感じた。
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