第3話 冒険者登録
3人で適当に雑談していると、モモが帰ってきた。
「戻ったよセート……ってツバキとサザンカも来てたの?」
「私たちが居ない間に男を連れ込んでるなんて……」
「ツバキ姉さんセートとはまだそういう関係では……」
「モモさん、"まだ"ですか?予定はあるのですか?あの私もそういうのに興味が……」
「サザンカ落ち着いて」
話しが逸れってる。とりあえず結果が知りたい。
「ごめんモモ出来たらギルドでの結果をききたいのだが」
「そうだよね。とりあえず明日来てほしいって」
「明日なの?」
「準備したいし、準備してほしいって」
「どういうこと?」
「明日来るとき出来れば中性的な服で帽子とか顔を出来るだけ見られないように来てほしいと」
「服は今着てるのしかないよ。帽子もないし」
「ここには少し大きめの服の予備も有ったはず。探してみるよ」
ツバキ姉妹も「手伝うよ」と一緒に探してくれた。
「俺も手伝うよ」と言ったがたがモモが「私たちの下着とかと一緒に保管しているから……」と。
「私のなら気にしないけど皆の予備だからね」
モモさん、気にしてください。
「あった。これなら似合いそう」
「そうですね。あっ、着替え手伝いますね」サザンカさんは意外に積極的。
「一人で大丈夫。ありがとう着替えるよ。……何でこちらを凝視する?」
「ごめん似合うか気になって」と恥ずかしそうなモモ。
「自分のは見慣れてるが男の体って多分見た事ないから」普通に興味があると言ってくるツバキ。
「その……お手伝いが必要だったら手伝おうかと」言ってることと行動が微妙なサザンカ。
「まあ減るものでもないがじっと見られてるとなんか着替えにくいな」
そう言って皆に背中を向けて着替えた。その後はサイズ合ってるか確認と言いながら色々触られた。
帽子も少し広げたら使えそうなのが有ったのでそれを貰った。意外と皆さん頭小さいみたい。
準備ができたし今日は早めに休もうとなった。
「今日は4人か。寝る場所少し狭くない?」
「一緒に寝るの?」
「「「当然です」」」
外で寝たら危ないとか、外は寒いとかいろいろ言われた。
「セートの横は恋人の私ね」とモモが言うと
「わ、私も何かあったらお手伝いできるようにセートさんの隣で」積極的なサザンカ
「じゃあ私は妹の観察を」ツバキさんは楽しそう。
寝るときは良かった。人の気配、温かさも有り直ぐに眠れた。しかし朝目覚めて驚いた。
モモが俺の上、左右に姉妹で寝てたみたい。どうしてこうなった。動けない。
普通なら得した気分とかになるのかもしれないが、美少女(美女)3人が間近に居ることに緊張して固まっていた。起きてから「寝てる間に何したの?」と聞かれたがこっちが聞きたい。
起きて顔を洗い着替えて4人でギルドへ向かった。モモと2人より誤魔化しやすいからと。入口に門は有るが普通に通れた。警備は居るが一人一人のチェックはしてないみたい。ここのギルド所属の3人が一緒なのも有るかもしれない。無事到着。3人で見えないように守りつつ受付に行き「うちの新人に冒険者登録をしてほしい」とモモが言うと、色々注意も有りますのでと奥の部屋に案内された。
部屋には既に2人いた。部屋に入ると一人が話かけてきた。
「私は冒険者パーティー太陽の光のリーダーをしているサクラだよろしくな。隣に居るのはギルドの専属担当者となるミモザだ。セート君だったかな?君は特別なので専属担当が出来た。一応太陽の光の専属担当となっているから分からないことが有ればミモザに聞けばいい」
「初めまして。こちらこそよろしくお願いします。サクラさん」
「初めましてミモザです。今から登録します。こちらに記入を……字の読み書きはできます?」
「読めな……?そこに書いてあるのは読めます。記入しますが……これで読めますか?」
「大丈夫です。最後に魔力の登録をします。こちらに触れてください」
何か機械のようなものに手を置いた。
「ここに相性のいい色が……出ませんね。普通1つ色が出るのですが。火なら赤とか。属性がないなら魔力量は……測定不可?上限超えてますね。魔力が有るのに属性がないなんて正直聞いたことありません」
現在無職だけに無色とか?声には出さないが
「なんか変なこと考えてない?」モモには気付かれた。
登録が終わったようでその機械のようなものからカードが出てきた。それが有れば身分証明書として使えるらしい。裏には本人にしか読めない自分の情報が書いてありそこを見ると固有魔法という欄が有った。
「固有魔法?」声に出てしまった。
「固有魔法って普通は無いんだよ持ってるのか?」
「何か書いているが読めない」と誤魔化した。本当は”一つになる”と書いてある。なんか言いたくない。
ミモザは「異世界、固有魔法、高い魔力……勇者様?」と言っていたが無視した。
とりあえずその日も町の外の小屋?へ戻った。また4人で。ツバキ姉妹は食料採取の途中だったらしい。
「人数増えるから食料多めに持って帰らないと」とサザンカは言っていた。
翌日から武器の扱い方、魔法の勉強と簡単な仕事が始まった。
なんか異世界に来たと実感した。
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