第3話 捕食とスライム

【捕食】

世界一有名なスキル

そして地上で最も有効活用されているスキルと言われている。

スライムはテイムが簡単。

非探索者の女性や子供ですら鍛える事なくテイム出来る程弱い。

そしてそこそこ可愛い。

そして食べる事も出来る(食用に繁殖させた物)

多肉植物以上に維持が簡単。

一説には弱い事で自分の生息域を広げているんじゃないか?とTVの学者さんが言ってたよ。

スライムの【捕食】は人類の排泄物を処理し水と堆肥に変える。

家庭に一スライム、ペットや家庭菜園で活躍する。

下水処理施設でも大量に飼われていると聞くよ。

何十年もの実験の結果、人類に対して無害と判断された。

今地上で大繁殖しているスライムは進化を一切していないらしい。

どの様な環境負荷を与えても残虐に殺されても何も変わらない。

世界中にあるダンジョンでも見かけるスライムも全部同じ種類で亜種は一切発見されていない……はずだった

ダンジョンにも汚物処理の為にスライム連れて行くのは定番になってる。

人類の友だ

犬・猫・スライム

人気の犬コロに大人気の猫ちゃんと肩を並べられる程の地位をモンスターが得ている。

それ位にスライムは人と寄り添いあっているのだ


ちなみに二番目に有名なスキルはスライムの持つ【分裂】だよ。

全てのスライムが【捕食】【分裂】だけで生きている



「ベロベロベロベロ」

「いやゾリゾリゾリ?」

「ここは可愛くペロペロペロペロだな」


私は今【捕食】してる

特に味は感じないね。取り込んでると言う感覚だけはある。


蛇モードでウネウネしながら【捕食】出来る。


色々楽っちゃあ楽だけど味気ない。いや味覚は無いけど


ながら【捕食】しつつスライムの事考えてたけど重要な事に今更気付いた。


私スライムの亜種じゃね?


今迄存在して無かったはずの


世界で一種類しかスライムはいない筈なのに


世界各国で共有されアーカイブされている情報の中にイレギュラー個体の情報もある。その中にイレギュラー化したスライムは無かった。


私ダンジョン配信好きだからその辺りもちゃんとチェックしているのよ!


やばい人に見つかったらレア個体として捕獲されちゃう??


今弱いもんねあたし


「ガクガクブルブル私悪いスライムじゃないよ」


『あたしがマリノを護るよ!』


キュン……ってなった!


何だこのイケメン

さっきまで撓垂しなだれてたのに


「もう大丈夫なの?」

『うん』


良かった良かった。


『マリノに伝える事があるの。さっき【分離】で分かった事何だけど、私吸血鬼じゃない見たい』


……ん??


「ステータスには吸血鬼ってあったよ?」

『それでも吸血鬼じゃ無かったの……ごめんね期待させた見たいで』


良く分からないな。

でもマリナは私に嘘は言わない


「じゃあどんなモンスターだったの?」

『…………んー。血?血そのもの?血液の塊が動く……的な?』

『例えるなら血のスライムっぽい感じ?かな?』


マリナからスライムで押したい気持ちをビンビン感じたよ。


マリナは昔から私とお揃いが好きだったからね。


私がピンクスライムでマリナが血から連想してブラッドスライムかな?


なんかイマイチ……


色で揃えたいからレッドスライムって事にしよう。


そう言う事にする事を二人で決めた。


「やっぱり姉妹だけあって二人ともスライムだったんだね!良かった良かった!」


分かんないからノリで押し切る!

ダンスマが手元にあったなら速攻で色々吸血鬼関連を検索するのに


何か内からマリナのホワホワとした感情を感じる!


『これでお揃いだね!』


喜んでるからオーケーオーケー、オールオッケー


懸念材料が無くなって憂いが無くなったね!


移動しながらマリナの復活を喜んでると何か感覚に引っかかった。


『なんかいるね』

「私も感じる。ここからはゆっくり行くよ」


鈍足でウネウネしながら進んで行く。


まあ十中八九、第一村人発見だろう。


このダンジョンは閉塞的な迷宮型なのは分かってる。

生息しているモンスターでダンジョンの傾向が分かるからちょっとドキドキするね。


『どんな奴かな〜』

「マリナ緊張感無さすぎ〜」

『私達心で会話してるし〜モンスターも心の声は聞こえないよ〜テンション上げる為に喋らないと』


ソロリソロリ


静かに……そっと……息を殺して……


吐く息無いけど


ジワジワと距離を詰める。


「この感じ生き物じゃ無いっぽい?」

「何となく伝わってくる感触を言葉にすると、カクカクしてヒヤって感じかな?」

『私は形とかは何も感じないかな〜、なんか力が集まってる中心っぽいのは分かるけど』

「無機物系モンスターかな?」

『眼が無いってこんなに不便なんだね。非生物って事しか分からないや』


じっと待機して肌感覚で観察してるけど攻撃して来る様子は無い。


結構近付いても反応なし。


こちらから攻撃はしない。そんなリスクは取らない。


もうここでやれる事は無いのでこのままこのフロアを周る事にして見た。



「脳内マッピングって難しい〜」 

「筆記用具の重要さを感じる!【マッピング】スキル生えてこい!!」


ダンジョン探索ってこんなに難しかったんだ。

迷いに迷いまくってるよ

探索者の凄さを実感した!


『普通の探索者はダンスマ使ってマッピングしてるんだしもっと簡単でしょ?』


ダンスマとはダンジョン用スマートフォンの略

別にダンジョン専用と言う訳じゃなく今の世に出てるスマホは全部ダンスマだよ。

どうでも良い情報だけど世間はダンスマ呼び派とスマホ呼び派に二分にぶんされてる


死亡した際に魂を保護する事で魂がダンジョンに取り込まれる事を防ぐ機能付き配信カメラと双璧をなすダンジョン探索の必須アイテム


今文明の利器が切実に欲しい。

モンスターに転生する時ダンスマもオプションで付けて欲しかったなぁ


『探索者ってどうやってスキル収得してたんだっけ?剣使ったら剣系統のスキルが生えるとかだったよね?』


「そうそう。それであってるはず」


『私達“スライム”は同じ感じで練度上げれば何か会得出来るのかな?』


「そうであって欲しいね」

「私は取り敢えず常時【軟体】と【捕食】を使って熟練度上がるのか試して見るかな」


『私の【吸血】は対象がいないから無理だけど、マリノの中で【血液操作】を頑張って見るね!』


本当にこのノリいいわ〜

研鑽してスキルを獲得!


ますますweb小説っぽくなって来た!






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る