2. 境界線。

(淡い僕の心)

◇◆◇




中学生になり、初めて奈美と違うクラスになった。



「氷馬ぁ、お前ってさぁ

 奈美ちゃんの写真とか持ってたりする?」



『えっ、


 ……写真とかあんまし撮んないからなぁ』



「もー

 幼馴染だったらそれくらい持っとけよ」



新しくできた友達は奈美のことをすごく気にしている。



初めはそれほど気にならなかったけど、だんだんと胸の奥が変な気持ちになっていった。



それが何なのかわからないまま、胸のもやもやから避けるように、僕は奈美を視界から外すようになってゆく。



嘘までついてしまった。



本当は写真、たくさん持ってるよ。



これってやきもちってやつなのかな。



考えると、切なくなってくる。



やっぱり苦しいから 考えないようにしなきゃダメだ。

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