明暗の暗
?/? 電脳
人生を全うしていればいるほど、電脳の世界から遠ざかってゆきます。
電脳の世界はゆるりゆるりゆりかごのようで、安らぎの波止場となり、忙しなく動き続けるわたくしの脳みそに指を突っ込み、ゆらりゆらり動き続ける思考の波を相反するもっと大きな波の中に飲み込んで消し去り、我が子のように包み込んでくれるのです。
自分の意思などもうそこになく、ただ、電脳の世界で揺れています。止まったような静かな時間が、すぎてゆきます。
ただ、それだけ。
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