第8章: 決戦への準備
王都から脱出したはるかと仲間たちは、山間の隠れ家に身を寄せていた。
ここで彼らは、魔王との最終決戦に向けた準備を始める。
「時間がないわ。魔王軍はすでに動き出している。」
はるかは仲間たちに語りかける。
「私たちにできることは、全力で準備することだけ。」
まず、はるかは古代文明の知識とプログラミング魔法を融合させた新型魔法兵器の開発に着手した。
昼夜を問わず研究を続け、ついに「コードブレイカー」と名付けた装置が完成する。
「これは、魔法の構造そのものを書き換えることができる兵器よ。」
はるかは仲間たちに説明する。「魔王の魔法さえも無効化できるはず。」
同時に、仲間たちとの特訓も始まった。
はるかは各人の能力を分析し、最適な戦術を編み出していく。
「アリア、あなたの風魔法とエリックの火魔法を組み合わせれば、より強力な攻撃が可能になるわ。」
「了解!」「分かった!」
二人の魔法使いが呼応し、炎の竜巻が訓練場に出現する。
「素晴らしい!」はるかは満足げに頷く。
「こうして一人一人の力を最大限に引き出し、チームワークを高めていけば、必ず勝機はある。」
特訓は過酷を極めたが、誰一人不平を漏らす者はいなかった。
全員が、この戦いにかける決意を固めていたのだ。
「はるか、」剣士のマークが声をかける。
「魔王城への潜入計画はどうする?」
はるかは地図を広げ、作戦を説明し始める。
「魔王城は三重の防壁に守られている。正面からの突破は不可能。だから、ここを突破口にする。」
彼女が指さしたのは、城の裏手にある小さな崖だった。
「この崖には古代文明の遺跡がある。そこから城内部に通じる秘密の通路があるはず。」
「しかし、その場所は厳重に警備されているはずだ。」
マークが指摘する。
「その通りよ。だからこそ、私たちには囮作戦が必要になる。」はるかは微笑む。「アリアとエリック、あなたたち二人に正面から攻撃を仕掛けてもらうわ。」
二人は驚いた表情を見せるが、すぐに理解を示した。
「分かった。全力で敵の注意を引きつける。」
「任せて。派手にやってみせるわ。」
「その間に、私とマーク、そしてリサで裏側から潜入する。」
はるかは続ける。
「リサの隠密能力が、ここで重要になるわ。」
影魔法使いのリサが静かに頷く。
準備は着々と進んでいった。
新型魔法兵器の調整、個々の能力の強化、そして綿密な作戦会議。
全てが最終決戦に向けて収束していく。
しかし、はるかの心の中には、まだ一つの不安が残っていた。
レインの裏切り。彼の言葉が、まだ耳に残っている。
「この世界の真実...」
魔王は一体何を知っているのか。
そして、レインを動かした本当の理由は何なのか。
答えは、きっと魔王城の中にある。
はるかは決意を新たにする。
「必ず、全ての謎を解き明かしてみせる。」
そして、決戦の日が近づいてきた。
はるかは仲間たちを集め、最後の訓示を行う。
「みんな、ここまでよく頑張ってくれた。明日、私たちは魔王に立ち向かう。勝利の可能性は五分五分。でも、私は信じている。私たちの絆と、一人一人の力を。」
全員が頷き、決意に満ちた表情を見せる。
「さあ、行きましょう。この世界の未来のために。」
はるかの言葉に、全員が応える。
「おう!」
夜が明けると共に、彼らは魔王城へと出発した。
決戦の時は、いよいよ近づいていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます