39話 鬼は外
その時だった。南は奴の腕を掴み、捻った。
「いたたた!!」
南はそのまま奴の腕を引っ張り、外へ出し、急いで扉の鍵をかけた。それに対し、奴は扉を叩き、抗議していたが、こちらからは何を言ってるかさっぱり聞き取れなかった。どうやら、ここは防音性には優れているらしい。
「南、ナイス!」
私は南を讃えた。意外と武闘派だったんだね。
「半ば強引だったけど、こうするしかないと思って」
「こうでもしなきゃ、あいつ出ていかなかっただろうし、いいだろ」
米屋は言った。そして、辻は驚いたように言った。
「にしても、南のあの身の交わし、すごかったね」
「ありがと。急に腕掴んだらびっくりして何もしてこないだろうなって思ったんだよね。読みが当たってよかったよ」
南はホッとしていたが、すぐ顔色を変えた。
「でも、無理やり追い出した形だし、これからまだ突っかかってくるよね」
「おそらくな」
「明日、波気をつけた方がいいよ」
「え?なんで私?」
「そりゃあ、隣の席だし、1番鬱憤を晴らすのに利用されそうだし」
それは困った。にしても、なんであいつはここを陣取ってたんだ?実は、ここは不良たちの縄張りだったとかじゃないよね?私は兎にも角にも、明日の学校が憂鬱になった。
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