40話 朝のミニミニ雑談会

 次の日の朝、私は憂鬱ながらも、自席についた。奴は来ていなかった。

「おはよう」

 私が声をかけると、辻は数学の問題集を解く手を止めた。そこ、まだやってない範囲じゃん。すご。

「おはよ」

「気になったんだけど、辻でも苦手な教科ってあるの?」

「ないな」

 堂々と言ったぞ、今。私は感心した。辻は得意なことに関してはあまり謙遜はしない。プライドが高いというわけではないが、努力してる分、自信はつくのだろう。

「そんなセリフ言ってみたいよ」

「ぼっちで勉強ばっかしてたら、言えるよ」

「遠慮しとく」

 お互い自虐を交えた雑談をしていると、隣にどかっと奴は座った。今日は遅刻しなかったな。私たちは一瞬そちらを見たが、気にせずに、またすぐ話をすることにしたが、それは遮られた。てか、遮んな。

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