第7話 些細な幸せに依存した

小学4年生の時の事件の1件が祖母から母に伝わり、母は更に僕を避けるようになった。


イジメは変わらず続き

小学5年生になる頃にはパンやおにぎりを渡されることもなくなり母がスナックへ仕事に出ている間に自分のことをする。そんな日々を送っていた。


その頃の僕は大人しくしていればいいと学習し自分手動で動かず周りの大人に従っていれば平坦な日々が送れると思ってしまうほどに心はすり減っていた。


平日は学校に通いながら家事をして過ごし、週末は変わらず祖母達に連れられ曾祖母の家で過ごた。


そんな日々を送る中リビングに置かれていたデスクトップパソコンに僕は目をつけた。

兄が遊びに行っていて、母が仕事に出た後の唯一1人になれる時間。


ヲタクで陽気なクラスメイトがネタにしていた【ニコニコ動画】の世界に僕はハマるようになっていた。


ネットの中で初めて友人が出来たのもこの頃だった。

ニコニコ生放送から仲良くなった年上の友人。

僕は学校が終わって家に帰るとAさんの配信に入り浸るようになっていった。

Aさんと仲良くなって僕はネットでいろんなこと教えてもらった。


いつしか僕は祖母から渡されたお小遣いでマイクを買い、配信を見るだけではなくSkypeでAさんと仲のいい友人6人のグループで遊ぶようになり、優しい大人が存在すること、自分の言葉を聞いてくれる大人が存在することを知った。


僕は現実から逃げるようにネットの世界に依存するようになっていった。

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