第2話 ネグレクト

僕の家は

長男の兄

長女の僕

の3人で母子家族だった。


父は僕が物心着く頃にはいなかった。

中学生の頃に親戚を問い詰めて唯一聞き出せた父の話は

父から母へのDV、父親が人を殺して捕まったこと、僕と父が似ているということだけだった。


その事実を知るまで僕はなぜ母が自分を嫌うのか何も分からなかった。


保育園の頃から僕の部屋は兄の部屋にある押し入れの中だった。

外から帰るとお風呂とトイレ以外は押し入れから出るのを禁じられていた。

理由は目障りだから。


今そんなことをしていたら児相が飛んくると思う人も多いだろう。

だが、児相は動くこと無かったのだ

理由は簡単。

・服は親戚のお下がりで綺麗な服を着ている。

・育児放棄がバレないように毎日のお風呂に入れられ菓子パンやおにぎりが渡される。

そして何より、小4になるまで兄妹仲はとても良かったのだ。


兄の手をひかれて遊びに行く姿を周りの人が見ている。

家庭内だけの虐待に外が気付けるわけが無いのだ。


僕は引っ込み思案な性格という設定を母につけられ母と兄のお出かけに連れて行ってもらえることは無かった。

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