カモミール「ひととき」

 彼女は静かな午後、カモミールティを一杯いれて窓辺に座っていた。湯気がふわりとあがり、カモミールの優しい香りが静かに広がる。外はまだ冬の冷たい空気に包まれているけれど、部屋の中は温かく穏やかだった。

 カップにそっと口をつけて飲み込むと、ほんのりと甘い香りが少しだけ心を落ち着かせた。 

 ほっと息をつく。忙しい日常に押しつぶされそうだったけれど、今だけはすべてが止まったような気がした。

 大きな問題も、先の見えない不安も、今のひとときだけは忘れてもいい。カモミールティの温かさが、ただそっと包んでくれる。


「カモミール」花言葉

・逆境の中のやさしさ・癒し

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