３６５日

カトレア「カトレアの誓い」

　彼女は、真冬の朝に咲くカトレアの花を眺めながら、過ぎ去った日々を思い返していた。寒さに震える庭で、静かに咲くその花には、どこか凛とした強さが宿っているように感じられた。

　幼い頃、彼女の母が、カトレアの花のような優雅さを持つ女性だった。母は、いつも穏やかでありながらも、芯の強さを持っていた。彼女にとって、カトレアはその母の姿そのものであり、深い愛と尊厳の象徴だった。

「美しさは、外見だけではなく、内面にもあるのよ」

　母はよく言っていた。彼女はその言葉を胸に抱き続けた。母を失った後も、彼女は自分自身に問い続けていた。どうすれば、母のように美しさと強さを兼ね備えることができるのか。

　カトレアの花言葉「優雅」「純粋な愛」「美しさの追求」は、彼女に新たな道を示してくれた。彼女は、自分自身の美しさを求め続ける中で、内なる強さを見つけ出した。母が教えてくれたその心の強さが、彼女を支えていた。

　ある日、彼女は鏡を見つめ、自分自身に誓った。母が残してくれた美しさと愛を、決して忘れないと。そして、カトレアのように、凛とした美しさと優雅さを追い求め続けると。

　彼女の心には、カトレアの花が咲いていた。寒さの中でも輝き続けるその花のように、彼女もまた、強く、美しく生きていくのだと。

「カトレア」花言葉

・優雅・純粋な愛・美しさの追求