３６５日

ガーベラ「希望の芽」

　冬の朝。

　冷たい風が吹く中、ケイは街の片隅にある小さな庭に一輪のガーベラが静かに咲いているのを見つけた。鮮やかなピンク色の花びらが朝日を浴びて輝き、それはまるで希望の灯りのように感じられた。

　ケイは、最近、自分に自信がなくなっていた。学校ではうまくいかないことばかりで、友達とも少し距離ができてしまったような気がしていた。何かに挑戦するのが怖くて、失敗することを恐れていた。でも、目の前のガーベラの花を見ていると、なぜか胸が温かくなり、心が少し軽くなった気がした。

「希望」

　花言葉を母から聞いたことがあった。

「希望なんて、僕にあるのかな？」

　そんな思いが頭をよぎる。でも、花は咲いている。弱くても、一輪だけでも。そんな姿がケイに何かを問いかけているようだった。彼は、ふと母の言葉を思い出した。

「どんなに辛い時でも、希望を信じることが大切なのよ」

　あの時、母が話してくれた話が心に響いた。　ガーベラの花は、彼に新しい気持ちを与えてくれたようだった。

　恐れることなく、前に進む勇気。

「ぼくも頑張らなきゃな」

　ケイは小さく呟いた。

　たとえ失敗しても、その先に希望が待っていると信じることで、少しずつでも前進しようとすることがきっと大切なのだ。

　庭のガーベラは、寒さに耐えながらも、美しい花を咲かせ続けている。ケイの心にも、希望の花が咲き始めていた。

「ガーベラ」花言葉

・希望・前進・感謝