まくらことば
ぬばたまの
夜に捧げし
夢の色
瞬き光り
輝きて
星降る夜に
身をくるむ
白い綿毛の
羊たち
一匹二匹と
集い来て
静かに運ぶ
夢の中へと
「おやすみなさい」と言う母は、
小さく僕のおでこに口付けて、
そっと僕の布団を直した。
それから、ゆっくりと部屋のドアを閉め、
電灯のスイッチをパチリ。
でも、
布団に入っても僕の眼はらんらんとして
まだ眠くなかった
眠たくなかった
「そんなときは羊を数えればいいのよ」
母は前にそう言っていた
メェー
メェー
一匹、また一匹と
羊は僕の頭の上を通り過ぎていく
羊が一匹
羊が二匹
手を繋いでワルツを踊る
羊が三匹
羊が四匹
集まって囲むテーブル
羊が五匹
羊が六匹
席に座って語りだす
羊が七匹、八匹――
僕も混ざって遊ぼうか
夢の中で追いかけ回る
白いボールと白い羊
区別がつかなくなるくらい
泥だらけになって、
日も暮れだした。
一番星の輝くころ
遊び疲れた羊たちも
家へと帰って行くんだった
羊が一匹
羊が二匹
だんだん
だんだん
帰って行く
羊が一匹
羊が二匹
さあ、帰ろうか
僕も帰ろう
ジリジリ、ジリジリ
目覚まし時計
窓の外は、
白い太陽と
蒼い空の
気持のいい朝だった
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