第2話 鑑定


 帰りはスーパーに寄ってビールと弁当を買ってトボトボと自転車を押しながらアパートに帰る。

「はぁ、明日から仕事探しをしないといけないな」

 一応当てはある、似たような仕事だ。

 日雇い労働者は似たような仕事が多いからな。


「それじゃあスキルでも使ってみるか」

 弁当箱からクズ魔石を取り出してスキルを念じると『ガチャ』の本体が出て来た。


 真っ白な筐体の中にいろんな色のカプセルが入っている。

 とりあえずクズ魔石を横の投入口に入れると1/10とでたので10個で一回らしい。

 しょうがないからクズ魔石を全部入れるとガチャが回せるようだ。


『ガチャガチャ』


 出て来たのは金色のカプセル。

「おぉ!いいのが出たんじゃないか?」

 開けると鞘に入った剣が目の前に出て来た。


「は?!」

 カプセルは知らない間に消えてしまって残ったのは剣だった。


 どうする?とりあえずこの剣を登録しないと銃刀法所持違反で捕まってしまうからギルドに明日行くか。


 明日からまた仕事ってのも馬鹿らしいから、とりあえずギルドに行って剣の登録をしようかな。


 次の日はジャケットにジーンズとブーツ。

 剣はシーツに包んで自転車でギルドに向かう。

 ギルドに到着し、中に入ると役所のような雰囲気で登録受付と書いてある場所に向かう。


「す、すいません、剣の登録をしたいんですが?」

「はい、では冒険者証と登録したい剣をここに置いてください」

「はい!」

 俺は冒険者証とシーツから出した剣をカウンターに出す。

「保護バッグはないんですか?」

 保護バッグ?そんなの持ってないよ!


「すいません、貰い物なのですぐに持って来た方がいいと思いまして」

「では、あちらの売店で保護バッグを買って来てください」

「あ、はい」

 売店に行き、剣にあった保護バッグをお願いすると9千円もした。

 

 はぁ、しょうがないから買うけどさ。

 稼がないとな。


 また受付に行き登録してもらう。

「では今から使いますか?」

「はい!」

「バッグが邪魔な時はあちらのロッカーをお使いください」

「分かりました」

 ふぅ、しょうがないから今日は頑張って魔石を取るか!


 ロッカーにバッグを入れて鍵を閉める。

 一応リュックは持って来ているので魔石を入れるのは問題ないな!

 改札のような場所に冒険者証を読み込ませて、中に入ると扉があり中に入る。

 中は洞窟でいつもみているので変わり映えしないが防具がないのでちょっと怖いな。


「グギャ」

「おわ!よ、よし!」

 いきなりゴブリンとエンカウントしてしまったが、こっちは剣を持ってるからな!

 剣を抜くのに戸惑ったがなんとか抜けて、ゴブリンに斬りかかる。

“ズパァン”

「おわっ!き、切れ味がいいな!」

 一撃でゴブリンは魔石に変わる。

 

「よ、よし、この調子で行こう!」

 1階層を歩いてゴブリンやスライムを倒して魔石を集める。

 やはり剣の切れ味がいいので防具なしでもなんとか倒せるな!

 少し強くなった気がして俺は少し奥に進んでしまったようだ。


「結構深く来たな?…っ!?」

 すぐに岩陰に隠れたが、剣を持ったゴブリン、ゴブリンソードマンがいた。

 そーっと後退りするが、気付かれたようで追いかけてくる。


「うぉぉぉ!!」

「グギャアアァァァ」

 逃げたが袋小路に入ってしまい後がなくなった。


「く、くそ!や、やるなら来い!」

「グギャ!グギャァァ!!」

 上段からの振り下ろしだったので剣で受ける。

“ガキンッ”

「へ?」

「グギャ?」

 ゴブリンの剣は折れてしまった。

「へ、へへ」

「グギャ…」

「オラァ!」

 剣を上段から振り下ろしゴブリンを倒す。

 なんとかなったので気が抜けて腰を下ろす。


「ハァァァ…こ、怖かった」

 とりあえず今で100個だからそろそろ帰るか。


 なんとかダンジョンを出て改札を抜ける。

 ロッカーからバッグをとって剣を入れると、と自転車に跨って、スーパーに寄ってから家に帰る。


「はぁ、今日はなんか疲れたな」

 リュックを下ろして冷蔵庫からビールを出す。

「クハッ!この一杯がたまらんな!」

 今日も弁当を食べながらテレビをつけてビールを飲む。


 別に見たい番組はないが、ついてると落ち着くのでつけている。


「はぁ、よし!ガチャやろう!」

 『ガチャ』と念じると本体が出て来たのでとりあえず一個づつ入れて行く。

 10個入れてからもう一個入るかな?と入れてみると入ったのでリュックの中身を入れていく。


 100個全部入ったので見てみると表面に11連ガチャと書いてある。

「へぇ、ソシャゲみたいだな」

『ガチャガチャ』

 と回すと“ポンポン”と出てくるカプセル。

 白が3個、赤が2個、青が2個、紫が1個に銀が1個、金が2個だった。

 へぇ、いろんな色があるんだなぁ。


「金が一番いいやつかな?」

 とりあえず白から開けてみる。

・錆びたナイフ

・フライパン

・バット

「お、おぉう、武器になるのか?」

 とりあえず横に避けとく。

 赤のカプセルを開ける。

・弓

・木の盾

「おおぅ、さっきよりは良くなったな」

 青のカプセルは、

・鉄の胸当て

・鉄の肩当て

「やった!防具だね」

 これは当たりだろ!


 紫のカプセルを開ける。

・銀のバングル

 なんの腕輪だ?でもカッコいいな。


 次、銀のカプセルは、

・錠剤

「やばい薬じゃないだろうな?」

 ラスト金のカプセルを開ける。

・スキルボール

・肩掛けバッグ


「ウオッ!スキルボールだ!」

 俺はスキルボールを手に取ると胸に当てる。

「『鑑定』!?」

 どこの企業も欲しがる『鑑定』じゃないか!


 今まで出たのを鑑定する。

・錆びたナイフ

・テフロン加工のフライパン

・木のバット

・木の短弓

・木の盾

・鋼鉄の胸当て

・鋼鉄の肩当て

・力の腕輪

・素早さの錠剤

・マジックバッグ(大)


「す、すげぇ!紫のカプセルから上は当たりだな!いや鋼鉄の胸当ても当たりだけど!マジックバッグ!?」

 マジックバッグなんて当たりも当たり!大当たりじゃないか!


 剣も鑑定してみると、

・ミスリルソード

 これも売れば高いやつやん!!

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ガチャから始まる練金ライフ あに @sanzo

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