第2話 二回目 長女編
一回目の初めての出産が難産だった私は、二人目が欲しい気持ちはあってもやや尻込みしていた。
なにせ分娩まで五十九時間掛かっていたので……。
しかし、相方の旦那は年は近いほうが良い!という持論をぶちかまし。
自身が年子の弟がいる身なので、兄弟は年齢が近い方がを散々言ってきたのだが。
なにせ週末婚なので、子どもの世話の大変さ、寝かしつけのしんどさ、初期の昼夜逆転のしんどさ等は経験値ナシ。
実家で生活してるし、大丈夫だろスタンスでいた。
しかし前回の難産が尾を引いている私はとりあえず、長男が一歳になるまでは子作り解禁したくないことを真剣に伝えて納得してもらった。
そして、長男が一歳を迎え一応まぁすぐできるとも言えないしと解禁したら、すぐできてしまったのですよ。
それが第二子、長女の妊娠でした。
しかも、妊娠が分かるちょっと前に長男が初めてのノロウイルス感染で家族が全滅した新年を終えて、その月末に妊娠が判明しました。
まず尋ねたのが「新年早々にノロウイルスに感染し薬を飲んでますが大丈夫ですか?」でした。
一人目の時もお世話になった産婦人科で聞けば「妊娠が判明していない初期も初期なら大丈夫だと思います」という言葉を頂き妊婦生活をスタート。
実家でお世話になりつつも、その年の春からようやく旦那さんと一緒に生活できるようになるので妊娠中に引っ越し準備と言うバタバタの生活に。
長男はまだ一歳なので、言葉もあまり話せず、単語オンリーの中で準備をし安定期の五月に引っ越しを敢行し家族での生活がスタート。
実家でおんぶにだっこで子どもの世話メインだった私は家事もスタートし、慣れない育児と家事と、新しい環境になれるのに手いっぱいになっていました。
子どものかかりつけの病院探しや、お買い物先。
このころは車も無く、長男をベビーカーに乗せて徒歩であちこち見て回り、買い物の荷物を持って、階段しかない四階での生活。
引っ越しすぐの妊婦検診は大丈夫でしたが、七月の検診で言われてしまいました。
「子宮頚管が短くなってて良くないね。お腹の張りは?」
二度目の妊婦生活の中で、一度目にはなかったお腹の張りというものを確かに感じていました。
しかし、上の子のお世話と生活のため一度目の時のように横になっていられる時間は短く、引っ越し後の環境になれない長男の夜泣き対応等で私自身も疲れているからだと思っていました。
「たまに張ります。結構硬くなるので、そういう時は横になれなくてもなるべく座るようにはしているのですが」と伝えました。
「長さが二センチ切ってっるのは経産婦さんだし良くないんだよね。安静にできるほうが良いから、入院を勧めたいけれど。自宅安静出来るならそれでもいいかな?どう?」
と言う提案をされて、そのまま急遽せっかく引っ越したにもかかわらず二か月で里帰りを早めて実家に戻ることになりました。
実家の母には「頑張っちゃったのね。しょうがないわよ」と言われながらも長男のお世話だけはと実家でゆっくりしていたのですが、早産の傾向は収まらず、三十二週の時には前駆陣痛もたびたび起こしていました。
その頃の長女はまだ二千グラムもない状態で、なんとかまだ産ませるわけにはいかないと自宅安静の日々は続きました。
三十五週の定期検診でようやく予測体重も二千グラムに近くなり、安静もとりあえずは解除でと言われてホッとしました。
しかし週数の割には小さめだから、なるべく正産期までお腹にいるのが良いからゆっくり過ごしてと言われました。
無事に三十五週を迎え、臨月まであと少しと思っているところで三十六週すぐに五分間隔の陣痛に見舞われて病院へ。
そして確かに陣痛が来ていること、でもお腹の子のためにこのまま進めたくはないこと。なんなら陣痛が遠のいてもいいと言われて、陣痛室待機ながら、動かないで指示という事態に。
そして一晩超えると、陣痛は遠のいてしまい一時退院することに。
ここでも良いのか悪いのか?微弱陣痛体質が上手く作用して出産には至らず帰宅。
旦那や、両親を困惑させつつ帰宅して長男とまったり過ごしました。
しかし、隊員から二日目の夜再びの異変。
「なんか、漏れてくるんだけど?」
動くたびにちょろちょろと漏れてくる水分。
もしや、これはうわさに聞く破水なのでは?となり病院へ確認。
「一時間経っても止まらなかったらもう一度連絡ください」とのことで寝てしまった長男を眺めつつ、様子見。
動くたびに漏れてくる水分は止まることなく続き、しかも量が増えてきている感じなので再び病院へ連絡。
「診察するので、入院セットをもってきてくださいね」とのことで陣痛遠のかせて二日で病院へ再び戻ることに。
準備して、出る頃に一番大きくパシャという音が出て漏れて来たので、破水だなと自分では確信しつつ病院へ。
病院ではしっかり連絡していたので待機していてくれた夜勤の助産師さんが対応。
「あぁ、破水だわ。これなら朝くらいに産まれるわね、子宮口も五センチ開いてるし」との言葉に、初産五十九時間の私は驚きを隠せない。
半日も待たずに、出産出来るの?!だった。
とりあえず、送ってくれた父を家に帰し、旦那に破水で入院したことを伝え陣痛室で一人待機。
破水は頭が降りてきたことでいったん止まったが、陣痛はだんだん強くなってくる。
でも、前回の点滴で強制的にマックスの陣痛にならなかったので冷静にベッドの柵を握って呼吸を意識して、地味に痛みに耐えて朝を迎えました。
「おはようございます。様子確認するね」
と夜勤交代前の助産師さんが登場。
内心してもらうと。
「あら、いい進み具合。もう八センチちょっと開いてるから分娩室行きましょう」
朝六時過ぎの出来事。
入院は前日の十一時だったから、あれ?早くない?痛みもまだ我慢できるのにと思いながら前回とは雲泥の差で余裕を持ったまま分娩室へ。
準備のさなかにまた痛みが増すものの、前回より全然耐えられる。
そうして準備が終わる頃に、助産師さんが内心して一言。
「もういきんでもいいわよ」
とのことで、いきむと一回目でパシャっとしっかりとした破水をして一気に進んでいく分娩。
三十六週と前回の三十九週よりはるかに早い出産と中の娘が小柄だったことで、五回ほどいきむとスルンとご誕生。
可愛い声と共に女の子だよと見せてもらい、抱っこもしてその後しっかり測定するとなんとか二千三百グラムと二千グラムも超えていたので子どもだけ搬送と言う事態にもならずに済みました。
二日前に二千グラム切って産まれたら近くの大学病院の新生児救急への搬送を説明されていましたので、ほっと一安心。
しかし、小柄ゆえに黄疸が強めになり光線治療のため私より二日多く入院した娘ちゃんは出産から六日目に退院。
一人目の長男は二か月で昼夜逆転し、背中スイッチ持ちのために置くと起きる敏感な子だったのに。
娘は良く寝る、とにかく抱っこ紐のためくっついているからかすごく寝る。
なんなら置いても良く寝る。
産後二か月で朝まで寝れたときはまず息してるか確認するレベルでびっくりさせられたという、そんな逸話のある子ですが現在十四歳でオシャレや遊びに敏感な女子となっております。
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