@kiku_2

第1話 



ある日の夢の中、ショッピングモールにいた私はテロリストのような人達から逃げて、隠れた。地下室に隠れた。鍵が見たことがない形でかけるのに苦労した。

なんとか逃げれたみたいだ。


また夢を見た。ショッピングモールにいて、テロリストが来て、隠れる夢。今度はトイレに隠れた、鍵は前と同じで不思議な形だ。

今回も逃れたみたいだ。


2回も同じ夢を見たのが珍しくて、この話を友人に話してみた。友人は青の服がよく似合う子で私の幼馴染だ。友人は不思議な夢だね、とだけ言って話を変えてしまった。


また同じ夢を見た。

今回も逃れた。


また同じ夢だ。

今回も逃れた。


また同じ夢。


同じ夢。


同じ夢。


、、、。

テロリストではなくなった。

小さな女の子になった。

逃られなかった。


また女の子だ、逃られなかった。


また


また


女の子になってから逃られない。

毎回毎回、鍵をかけたドアをすり抜けてくる。その子に捕まるたび夢が覚めて、音がする。

コツ、コツ、コツとこっちに向かってくる。

でも誰もいない。


少し考えてみる、毎日同じ夢を見て、毎回同じ女の子で、逃られない。

ドアをすり抜けられるのならもうそれは人間ではなく幽霊か何かだ。

逃られないのは、すり抜けてくるとわかっていても何故か隠れてしまうからで、別の方法なら逃られるのかもしれない。別の方法、次は走って逃てみよう。この悪夢もあの子から逃げられれば終わるかもしれない。


逃られなかった。

今回から隠れるのをやめて、走って逃げていた。だが、走れば走るほど減速したり、宙に浮いたりして上手く走れず捕まった。捕まれば毎回起きて、足音が聞こえてくる。

もう頭がおかしくなりそうだ、そう思って友人に相談した。友人は話を聞き終わると少し考えて、そして少し、ほんの少しだけ笑った気がした。何かわかったのかと思ったが、友人は普通の回答をしてまた、話題を変えた。


結局夢は毎日みる。相談しても何も変わらなかった。

変わったことといえば、毎回出てくる女の子、相談してから少しずつ喋るようになった。怖い話でありそうな恐ろしい声でもなく、普通の女の子の声だった。

話すことはほぼ同じだ、人間になりたい、ということをいろんな言い方で言ってきた。よく見てみれば女の子は幽霊みたいに透けているわけでもなく、ホラーな顔でもなかった。それに気付いてからあの夢が悪夢ではなくなった。


また同じ夢を見ている。今日はまだ女の子が追いかけてきていない。少し変だな、と思いつつ今日はどう逃げようか考える。

いつのまにか女の子が目の前にいる、流石に怖いと思ったけど、女の子はいつものように捕まえようとしない。動いたらまた捕まると思いこちらも動かない。

しばらくして女の子がいつものように話してきた、人間になりたいと。いつものように聞いていると、いつもとは違うことを言ってきた。

「私ね、人間になったら青いお洋服いっぱい着たい。」

そこで目が覚めた。

起きてすぐに私は彼女に連絡した。

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