XI

雨音side


目の前に亡くなったお父さんとお母さんが


居たら私はどうするんだろう。


そんなことを考える前に


私は手を伸ばして抱きつこうとしていた。


だが、あと1cmで届きそうだという時に


誰かにまた腕を引っ張られた。


振り返ると夢で見たあの男の子。


『離して』


たった4文字の言葉を言おうとした時、


ジジッという音と共に情景が切り替わった。


周りを見るとそこは知らない場所。


でも皐月神社は健在していた。


私が周りをキョロキョロと見回していると


後ろから


「ごめん」


という掠れた声が聞こえた。


「何か、迷惑になったてたら、ごめん」


と俯いたまま、またもや謝る。




その時、


「お姉ちゃん、お兄ちゃん!」


と幼い " あの子 " の声が聞こえた。


私は声が聞こえた方を向くと、


「明日、この神社の地下に集合ね!」


と言って消え去った。

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