Ⅸ
皐月神社に向かってみたが、
やっぱり鳥居をくぐると奥には暗い小道があった。
前は誰かに腕を引っ張られた気がしたけど
今日は何も起こらない気がした。
1歩1歩と小道の奥に足を進めていくと
徐々に本堂が見え始めた。
普通の神社とは違って、
鳥居の近くには稲荷様や狛犬様の像では
無く、フクロウの像が飾られていた。
すると、私の頬に冷たい何かが触れた。
驚いてその何かを確認すると、
手には水がついた。
上を向くと雪が降っていた。
そういえば皐月神社がある場所は
よく雪が降るとかなんだとか...。
それはそうと本堂の賽銭箱の奥の壁に
紙のような何かが貼り付けられていた。
傍には1輪のポピーが添えられていた。
私は恐る恐る近づいて見てみると
そこには『流坂 雨音』と私の名前が
書かれていた。
なんでこんなところに
私の名前が書かれているのだろう。
「誰かのイタズラ...?」
その時、
「雨音...」
と誰かが私を呼ぶ声が本堂の裏から
聞こえた。
どこか聞き覚えのあるような声...。
私はその声に引き寄せられるように
本堂の裏へ行くと、
そこにはお母さんとお父さんの姿があった。
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