第2話 花言葉
学校帰り、俺はまた神社へ向かった。
案の定、凪先輩はあの桜の木の下に立っていた。
「涼....この花の名前、知ってる?」
そう言って凪先輩は桜の木を指さした。
「ん〜......」
桜ということは分かるが名前までは分からない。
「知らないです」
「この花の名前はね..........」
「その前に...涼、敬語は要らない」
「え?先輩なのに?」
「先輩....?あぁ...そういえば...」
そう言いながら凪先輩はブツブツと
独り言を漏らした。
「ぇ..あ、分かった」
とりあえず話を進めておくために
俺は適当に返事をした。
「ありがとう」
そう言いながら凪先輩は微笑んだ。
正直に言うと世の中の男は一瞬で恋に落ちるだろう。
そのくらい俺にとっては美女だった。
「この花の名前はね、修禅寺寒桜って言うんだよ」
「しゅうぜん....え?」
「修禅寺寒桜よ」
「じゃあ次、これは知ってるかしら?」
そう言って凪先輩は青色の花を
俺に見せてきた。
「んー....見たことあるようでないような....」
そう言って俺が悩んでると、
凪先輩は笑いながら
「これは、勿忘草って言うのよ」
と言った。
その日は色々な花を学んだ。
先程の2つの花の他に、スノーフレーク、
カンヒザクラ、カワヅザクラ。
計5つを教えてくれた。
どれも聞いたことがない名前だった。
その日はもう遅いからと言って
凪先輩と別れた。
凪先輩が帰り際に何か言いたげだったが、
俺は気づかなかった。
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