第175話
(怒って…ない?)
彼からもたらされる熱いキスを交わしながら、変わらない態度に少し安心する。
『ハァハァ……慧…悟さん…ごめんなさい……』
「謝る必要は無い、寧(むし)ろ真在子を独りにしている俺の方が謝るべきだ。」
『慧悟さん??』
「……俺の都合で嫌な思いさせて後免な。」
月明かりに照らされた部屋の中で彼の瞳は、深い銀色に見え……私を恍惚に惹きつける。
そして思うことは、顕司さんの瞳と似て非なるものだと今ならわかるって事。
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