第170話

パタン………―――――







二人きりの静かな部屋。




開いてる窓から夜風がゆったりと入って来る。





私と慧悟さんは向かい合って座ったまま。




私は顔を軽く下に伏せて、彼は私の髪を手に取る。







「……真在子、どうして下を向く?」





『それは………』






まともに見れない………





慧悟さんと向かい合って思い出されるのは顕司さんとの事。




こうして目の当たりにしてると、彼を裏切った自分を感じてしまう。

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