雪やすみ
茶村 鈴香
雪やすみ
木枯らしで唇が割れる
こんなに寒いんだから
いっそ雪が降ればいいのに
このへんの冬は
冷たくて乾いててのどが痛い
いっそ雪が降ればいいのに
雪が降るすぐ前に
周りはほのあたたかくなって
雪が積もるとだんだんに
周りの音が静かになる
雪に閉じ込められる夜が好き
起きると
窓の外は魔法使いみたいのが
粉砂糖降った景色
起きると
真面目なあなたはもう
大きいシャベルで雪かき
電車もバスもダイヤが乱れ
滑って怪我しちゃったり
ほんと雪なんて迷惑って
大人たちは言うけど
ところどころに小さい雪だるま
子どもたちは楽しいみたい
雪やすみがあればいいのに
誰も転ばないくらい
溶けるまでは
雪やすみがあればいいのに
そんな事言うから
この歳でも言われる世間知らず
雪やすみ 茶村 鈴香 @perumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます