ギャルゲー転生!〜モブよ神話になれ〜

NEET駅前@カクヨムコン初参加

第1話

『 "神話" になりなさい……』


 「ん……ん?」


 目が覚めると俺は、何処かの部屋のベッドに横たわっていた。


「っ!?」


 ベッドから起き上がった俺は、真っ先に自分の身体中を触っては異変に気づいた。


 可笑しい。何処も痛くない。それに顔面に負っていた傷すらも綺麗さっぱり無くなっている。


 何故だ? 俺はあの時、間違いなく"20トントラックに跳ねられて" 死んだはず……?


 専門学校の入口を出て直ぐの所にある大きな交差点。そこで信号待ちをしていた俺は何者かに、突然、突き飛ばされたのだ。


 俺が記憶にあるのはトラックと正面衝突したことと、顔面を中心とした物凄い衝撃が身体中に走ったということまでだ……。


 俺は、死ぬ直前のことを思い出した反動で激しく嘔吐した。


 ……。


 それからしばらくして、ようやく落ち着いて来たので一通り周囲を見渡すと、俺は "あること" に気づいた。


「いや。まさかそんな、そんなことって……」


 俺は目の前の光景に対して、正直目を疑った。


「間違いない。この部屋は……」


 なんと俺は、『青SHUN学園』と言うギャルゲーの世界に転生していたのである。


 しかも、そのゲームの主人公ではなく、主人公を陰で支えていた全く目立たない友達のほうにだった。


 確か名前は……そうそう! 地味田モブ尾じみたもぶお……って!? えぇ!?


 俺が地味田の名前を思い出すきっかけとなったのは、この部屋に立て掛けてあった鏡と俺が睨めっこをしたからであり、そこに映ったのが地味田のアバターだったからである。


 にわかには信じ難いし、俺自身受け入れたくもないが、そうじゃないとつじつまが合わなさすぎる。


 ちなみに俺の現世での名前は早見吉次はやみよしつぐ。自称ナイスガイの35歳で何処にも、地味田らしさはひとかけらもなかったはずだ。


「……」


 まずは落ち着いて整理をしよう。


 要するにだ。今俺は、20年前に流行った"青SHUN学園" というゲームの世界に転生されており、しかも、 "地味田モブ尾" というよりにもよってモブキャラに転生させられていて……って!


「なんで主人公じゃないの!? そこ普通主人公だよね!?」


 どうせ転生させるんならハーレムを構成できる主人公だろ……なんで、よりにもよって恋愛に奥手な "地味田" なんだよ! 意味わかんねぇよ!


 俺が文句を吐き捨てると、突然、天井から何者かの声がする。


『吉次よ…… "神話" になりなさい……』


 …………。


 ………。


 ……。


 …。


「はぁっ!? いやっ、誰だか知らないけどさ! いきなり声だけってちょっと失礼すぎない!? もうちょっと、現状を説明してよ! 流石に情報が無さすぎて無理ゲーすぎるんですけど!」


 ギャルゲーにおいて俺は、あらとあらゆるジャンルをやり込んでいたからそれなりに自信はあったのだが、このままでは攻略できる気がしない……この状況をわかりやすく例えるなら、"ボケモン" のマサラバタウンにいきなり "ミュウスリー" が待ち構えていてそれを "ゲット" しないと先に進めないくらい無理ゲーだった。


 俺の罵詈雑言に答えてくれたのか、"青SHUN学園" と書いてあるボロボロの攻略本らしき物が突然、天井から降って来た。


 攻略本には、しっかりと780円と印字されている値札が貼り付けられていた。


 いやっ!これ前に買ったけど全く役に立たなくて、俺がキレて捨てたやつじゃん!!


 その証拠に俺の名前がしっかり黒ペンで書かれていた。


 それ以上、よく分からない人神様的な存在からは何もアクションは起こらなかった。


 最悪だ……。


 転生先が異世界ならまだしも、20年前に流行った流行とは程遠いギャルゲーなんて。


 俺は四つん這いになり、涙を流した。


 と。俺は床に落ちていた攻略本の表紙に自然と視線が引き寄せられる。


「"真・青SHUN学園"……なんか俺が前にやってたやつと微妙にタイトルが違うような……」


 そう思った俺は、ボロボロの攻略本のページを一枚ずつめくり始めた。


 すると、最初のページには……。


「なんだよ。これ?」  


 ※このゲームをオールクリアしないと元の世界には戻れません。


 そう書かれていたのである。


「なるほどな。よく分からないけど、要するに全クリしたらいいってことだよな? 前にやったやつとは微妙に設定が違いそうだし、ちょっと不安だけど、まあ攻略本持ってるんならなんとかなるか! よっしゃ! やってやるぜ!」


 俺の掛け声と共に、何処から現れたのか、俺の目の前に二つの選択肢が出現した。


 ・ゲームを進める ←


 ・まだやめておく


 その選択肢に対して、俺は大きな声でこう言うのだった。


「勿論! "ゲームを進める" !」


 場面が変わると、俺は一階のリビングへと転送させられていた。


 to be continued……。


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