11 父の死、充電。
「この時ほど、人に裏切られたと思ったことはない。」
この物語の初めから結果として終わりまでずっと抱えている問題があった。それが昨日やっと終わったよ。最愛なる父へ。今まで23年ありがとう。家族というよりは友達という感じで、身近な存在として。お父さんというよりは気の合う友達って感じだったよ。ありがとうありがとうって。みんなが故人を思い、偲び、泣く、いわば最高のお葬式だろう。みんなが故人の死を悲しみ、でもそれでも生きていく希望を持って。だから僕たち家族も生きなきゃね。頑張らなきゃね。しんどいけど、乗り切ろうよ。ね?
………… ………… ………… クソ食らえ。
すべて何もかもクソ食らえボケ。 最愛なる父は、僕たちが作っていた理想の父は、ずっとずっとずっと僕たちを裏切っていた。僕が生まれる前からの浮気の記録。大事に丁寧に持ち続けていたその記録を僕たちは見つけてしまった。全てを見た。パスコードは僕たちに何も関係ない番号。なんで分かったかって?相手の誕生日に会っていた記録があってね、それを打ってみたらこりゃまたびっくり。
ねえ、僕たちはあなたのどこにいた?
あなたの人間関係のどの辺りにいた?
家族?
一生、一緒にいる覚悟?
全て、
す・べ・て、クソ食らえ。
二度とその面見せんな、と遺影を下に向ける。感情も下を向く。僕はもう何を信用して良いか分からない。
何もかも、誰もかも、
信用なんて出来ない……………
いや、君がいるじゃないか。まだ君が。君だけは信用できる。そうだ、せっかくなら
この話も笑い話にして、君に届けよう。マイルドに変換して、まるで僕が人の死からも簡単に乗り越えられる強い人間のように。だから、父が死んで少しした後、君にまた連絡をした。
「最近、連絡返さなくてごめんね。ちょっと立て込んでて、、、来週会える?面白い話があるんだ。」
君は笑ってくれるだろうか。
________________穴。
((((当時のぼくは、相当参ってたんだろうね。これを笑い話に変換しようとしていたのだから。
今のぼくがいわゆる神の目線(第3者目線、小説の地の文)だったら間違いなく止められる。
でも当時はそんなことを考える余裕も消え去ってて、君との関係性も少し悪くなっていたから何か起爆剤が欲しかったんだと思う。今思うと、ぼくはもう戻れないところまで来ていたんだね。あの時かな?僕がぼくになったのは。 そう、
「ぼく」、というのは純愛とか純粋とかそんなものを信じられなくなった存在。この時から今の今まで続く空っぽな、ぼくのことだ。 まあ、
ぼくもそう思うよ。君が笑ってくれれば万事解決するんだ。でも、君のことを知っている僕でぼくだからこそ、この時は慎重になるべきだったよ。
って反省している。 今更ね(笑)))))
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