第2話 突然始まるアキネーター
「ねぇ、今日は何の日?」
唐突になっちゃんから聞かれました。12月15日、さて何の日だったか? 頭の中で思考がグルグルと回転するがな中々思いだせない。大体こういう場合は決まって何かの記念日だと決まっている。問題はその何か……。私が無言でいると、楽しそうに話し始めた。
「じゃあ、アキネーターしようか!」
アキネーター? 質問をして、『はい』か『いいえ』で答えるゲームのようなやつか。
「え~、じゃあ、二人に関係しますか?」
「はい」
まぁ、そりゃそうか。
「それは、結婚してから関係しますか?」
「いいえ」
おぉ、ということは結婚してからではないということか。だいぶ遡らんといけないやつだな。
「えぇっと、付き合ってる時に何回か祝ってますか?」
「はい」
うん、確定だな。
「付き合った日」
「おぉ~、正解」
なんだこれ。もう結婚してるのに、付き合った日とか必要なのかな? なんでアキネーターで質問しないといけないんだ。
「ねぇ、付き合った日は結婚記念日があるから、もうよくない?」
「ん~、いいんだけど~、記念日は多い方が良くない?」
あぁ、こういう所が愛おしいんだよな――
――今日は、妊娠中に食べてはいけないものを調べてみました。どうやら生もの系はアウトだそうです。生卵、生ハム、生魚などなど。それにカフェインもダメだそうです。なっちゃんは基本的に生もの系は口にできないから問題ないとしても、コーヒーは大好きだからかなりイライラしている模様。貧乏ゆすりはするわ、暴力的になるわで、もう大変。まぁ、暴力といっても甘噛みやら、腕をギュッと握る程度なので大したことは無いのですが。
これを妊娠中にしていると考えると、世の女性は素晴らしいなと思いました。こんな大変な時期を何か月も経験されるなんて……。私も何かできることはしていかないとなと、心に誓った今日この頃です。
夜寝る時、私達は一緒に寝るのですが、最近はなっちゃんに布団をはぎ取られるので、新たに布団を出して、互いに別々の布団で寝ることに、寝る場所は一緒ですよ?私がスヤスヤと寝ていると、突然『繭が破壊したぞ! 大変だ!』と騒ぐなっちゃん。
急にどうした? と目を覚まし、なっちゃんに視線を向けると、布団を整えていました。どうやら、くるんで寝ていたら足が外に出て寒かったようで、それを直そうとしたら、今度は胴体が出て、胴体を隠そうとすると、足が出ての繰り返し、それであの言葉。私は横で笑うしかありませんでした。いや、こんなの絶対笑うでしょ。しきりに『大変だ! 布団が!』って言ってるんですもん。笑うしかないでしょ。
なんとか繭が完成したなっちゃんはそのあと、私より早く寝付いていました。あぁ、愛おしい――
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