これから、パパになる準備をします!

Mr.Six

第1話 私、パパになるんだそうです

 どうも、Mr.Sixです。

こうやって、エッセイというか、なんというか異世界物や変な小説を書いた自分がまさかこういう小説を書くとは思ってもいなかったので、どう書くのがいいのかわかりません。


 でもタイトルにもあるとおり、こういうことで悩んでいるパパって多いと思うんですよ。だって初めての事だもん。


 今まで、されてきたことを今度は自分がする側になるんだと思うと、もうドキドキもんですよ。


 事の発端は、パートナー(以降なっちゃん)が適応障害になったことから始まりました――


 ――11月中旬、明らかになっちゃんの様子がおかしいことに気づく。

笑わなくなったんです。私が何かを話しても『うん……』、ご飯を食べてる時に美味しい? って聞いても『うん……美味しいよ』って。勿論、反応はしてくれてるんですけど、なんかそっけないというか、今までは笑顔で笑ってくれてたり、私のしょうもないボケにも乗っかってくれたりしてくれてたのが、急にです。


 いや、それまでも予兆はあったんですよ? なっちゃんの仕事はリモートでの仕事で、私が外に出るから、『家の事がしやすいのは、リモートだよね?』って二人で話あって、決めたんですがその仕事があまりにも多いんです。なっちゃんはパートなんですよ。月、火、木の週3日の9時から17時までが勤務、1時間の休憩を挟むとして、実質7時間、あくまで私が話を聞いた限りですが、在庫管理、材料の受発注、取引先の連絡、営業担当とのやり取りをさせられるそうです。


 それだけだと、別に問題なくないと思っていたのですが、それを約2店舗分任されているそうです。1件当たりの受発注は30分はかかるとのことで、できても1日の受発注は10~14件がギリギリのライン……なのに、なっちゃんに来る受発注はおよそ20~25件、10件近くもオーバーしてる! 他の人は何してるか聞いたら、みんなのミスをなっちゃんがフォローしているのだそうです。それも正社員の……。取引先の名前が違う、金額が違う、商品が違うなどなど。なぜパートが正社員のケツを拭くことになるんだと思いました。


 残業はサービスでするのが当たりまえ、私は何度も言いました。『パートは時間通りに勤務して、退勤しないと上の人が怒られるからサービス残業やめなよ』と。私は当たり前のことを当たり前に言っていたのがどうやら、なっちゃんには余計にプレッシャーに感じていたようです。情けない……。自分の言葉がそうやって傷つけているとも知らずに。


 そんな時に、とある決定打となる出来事があったそうで、それは、営業担当に電話をしていた時の事です。営業担当が勤務終了の直前に17時に電話をかけてきたそうです。電話に出たら、『今すぐ、受発注をしてほしいことがある』という内容。仕方なくやろうとすると商品名が違うみたいで、すぐに連絡をしたら、営業担当の後ろで男の人の声が……『○○さんって、すぐ電話かけてくるよな、わからんのんかな?』


 この言葉に心の糸がプツッと切れたようで、その後に『おい、○○さんに聞こえるぞ? やめとけw』。なっちゃんはそのあと、泣きながら受発注をしたそうで、そのあとの記憶が曖昧だそうです。


 その話を聞いて、私は腸が煮えくり返りそうでした。いや、あなた方がミスしたことで連絡する羽目になっているのに、なんでこっちが悪いみたいに言われなきゃならんのだと。納得できない私は、『おい、電話を貸せ、俺が文句言ってやる!』って、でもなっちゃんは『いいんよ、ウチが悪いんよ』といって、社内用端末を貸してくれませんでした。それ以降、徐々に笑顔を失っていったなっちゃんに気づいた私は、精神科に行っておいでを伝え、診断は【適応障害】、1ヵ月の休職が必要でした。


 会社にもそのことを伝え、1ヵ月してから、なっちゃんは会社に退職することを伝えたのが、ついこの間。退職を伝えた後のなっちゃんの満面の笑みは今でも忘れることができません。


 そして、12月14日、産婦人科に行くと、何と子供授かっていたのです! もうね、私、思わずその場で、『おぉ、そうか……よくやった』 となんか立場かわからん言葉を発していました。パパになるであろう人の言葉ではないですよね? どっちかというと、お偉いさんが部下を褒める時に使う時みたいな? そのあとは産婦人科を出て、景気づけに食べたいものを食べようとなって、吉野家の牛丼を食べることになりました。


 まだ実感が湧きません。私……パパになるんですって!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る