好描ク相違

 実は僕、小説を読み始めたのは幼少期からですが、漫画を読み始めたのは高校生に上がってからとなります。その頃からネットカフェに通い始め、大量に漫画を読み漁っていきました。そして現在に至るまで、コメディ…ラブ、サスペンス、ホラー、ミステリー、エ○、異世界転生等おそらく50作品くらいは読み漁ってきました。

 やはり漫画というものの魅力は、前回も言っていたように文章の量が小説に比べてはるかに少ないため、文字を読む事には頭を割く必要がない事と、その分コマに描かれた膨大かつ無駄のない情報量の嵐!嵐!!暴風警報!!!!でしょう。読み終わる頃には頭がすっかりその世界観に染まり、幸せいっぱいになっています(時々憂鬱)。

 私は前回、挿絵もあって文章を読むのも楽であるなら、何故小説はこんなにも面白いのだろう…と。読むのが楽で挿絵もあるのなら漫画だけでも事足りるではないか。と言いましたが、あれはです。僕は何と馬鹿なのでしょうか。そんな事夢にも思っていないのに次回の導入のために適当な事をほざいてしまいました。申し訳ありません。

 小説を読まない皆さんにとっては意外かもしれませんが、実は小説を読む上でというものが存在しないわけではありません。僕たちは小説を読む時に頭の中で『擬似空間』というを作っているのです。

 例を出してみましょう。例えば、「机に二つのリンゴがある。それを悠太くんはムシャムシャと食べた。」(悠太誰やねんと思ったそこの皆さん…気にしないでください、適当です)僕たちは本を読む時に文字を頭の中で物や空間に変換します。僕の場合、机は小ぶりな丸机。リンゴは新鮮でツヤツヤなフジリンゴ。悠太くんはタンクトップのシャツを着た小さな少年です。ほら、悠太くんがフジリンゴムシャムシャと頬張りながら、机の下で正座をしているのが想像できるでしょう?これこそが僕が言っている『擬似空間』の正体なのです。

 おそらく、小説に苦手意識を持つ皆さんはこの空間を作るのに慣れていない、もしくはめんどくさがっているのが原因だと僕は推測します。ミステリーだって、ミリタリーだって、小難しいSF映画の原作だってこの空間を作る事で、きっと多少は小説を読む事が苦にならないはずです。

 小説というのはいわば、自分が作り出す幻想世界ファンタジアという事です。同じ小説を読んで、全く同じ『擬似空間』を作る人はいないです。そしてそれが、小説の最大にして最高の楽しみなのです。自分だけで楽しめる、自分の世界で楽しめる、まさにその世界の創造主となってページをめくる訳です。これは後にも先にも小説以外にはないアイデンティティと言えるでしょう。

 そういう訳で、皆様も是非お近くの図書館や書店に足を運んでみてはいかがでしょうか?

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